【超かぐや姫!】酒寄 彩葉
はじめに
映画『超かぐや姫!』で狐(画像のショルダーキーボードを掛けている子)を見つけたので紹介していこう。
タイトルテスト
『超かぐや姫!』とは?
『超かぐや姫!』とは動画配信サービス「Netflix」のアニメ映画で山下清悟初の長編監督作品だ。
日本の物語である「かぐや姫」をモチーフに近代のバーチャル世界とボカロPを融合させた音楽アニメーションプロジェクトとなっている。
アニメーション制作は「ペンギン・ハイウェイ」や「泣きたい私は猫をかぶる」などの作品を生み出した「スタジオコロリド」。
「呪術廻戦 第1期」や「チェンソーマン」などのオープニングを手掛けた「スタジオクロマト」の山下清悟がスタジオ初の作品として「スタジオコロリド」と手を組んだ映画である。
2026年1月22日(木)からNetflix独占配信をしていたのだが、大好評につき同年2月20日(金)から1週間限定で劇場公開することとなった。
劇場公開も大好評だったことから期間延長に加えて公開映画館の追加や本作のキャラクターデザインを務める「へちま」さんによる描き下ろしのビジュアルボードの入場特典追加など快進撃が止まらない作品となっている。
私は『超かぐや姫!』について広告で認知していた程度で、かぐや姫を題材にしたアイドルアニメか~という印象だった。
しかしXでネタバレ込みでたびたび話題にあがっており、狐が登場していることやかぐやの正体……というツイートやコメントを目にした時、「この作品ただモノではないな」「今すぐ見に行かなければ」という衝動に駆られ、普段映画館で映画を見ない私が見に行くことを決意するほどの作品だった。
本記事は『超かぐや姫!』に登場する狐についての記事なので、作品自体の感想や考察は多く語らないが感想を一言申し上げるとするならば、
対比の描写を上手く利用して視聴者に思考させた結果、1回目と2回目の鑑賞で見方や感想が変わり、涙で脱水症状にさせてくる危険な作品である。
対比の描写としては軽く思い出せるだけでも、右と左、得意と苦手、攻めと守り、現実と仮想、古いと新しい、暗いと明るい、表と裏、不要と必要、子供と大人、違うと同じ、できるとできない、手前と奥、目覚めと眠り、過去と未来、別れと出逢い etc……。
個人的な感想ではあるが、きっと多くの人が共感できる内容だと思っているので、ぜひ映画館で見てほしいなと思っている。
歳のせいもあるかもしれないが、私はトータル1時間ぐらい涙しており、映画館を出る頃には眼が真っ赤で頭も痛くなるほど……。
実際、私の周囲に座っていた人たちの多くも涙を拭う動作をしていたので、涙は覚悟しておいた方がよいだろう。
Xなどでネタバレや様々な動画が流れているが、ネタバレ拒絶派ではない私は多少情報を入れていたこともあって2回目の視聴に近い状態で見れたことも涙による脱水症状となった要因かもしれない。
ミリしらな状態で1回目を観て、Netflixなどで2回目を観るも良し。
ネタバレや動画を軽くさらってから映画館で観るも良しな作品だと感じた。
仮に後者のネタバレと動画を軽くさらってから観る人向けに個人的に絶対見てほしい動画はこちら↓。
【Official MV】ray 超かぐや姫!Version / かぐや (cv.夏吉ゆうこ)、月見ヤチヨ (cv.早見沙織) from #超かぐや姫 !
『超かぐや姫 ! 』公式、TWIN ENGINE
この動画は邦楽アーティスト「BUMP OF CHICKEN」さんの「ray」を本作品のヒロイン"かぐや"と"月見ヤチヨ(るなみやちよ)"がカバーしたエンディング動画だ。
この動画自体にはネタバレ要素はあまり含まれていないと思うのでネタバレ警戒はそこまでしなくても良いかもしれない(ただしコメントはネタバレ物語なので閲覧注意)。
なぜオススメしたかというと、映画を観る前と観た後でこの動画の見方や感想が変わったからだ。
なので、映画を観る前に最低限この動画だけは見て「映画を観る前の感想」を持ったまま、「映画を観た後の感想」を考察してみると"なるほど!"とか"あぁ~!"とかが出てくるかもしれない。
最後2人が草原で手を繋いでいるところとかね。。
あぁ、思い出したら涙が……。
これはあくまで一例だが、この映画は観る前と観た後で見方や感想が変わるポイントが随所に隠されている作品だと思っているので、いろんな視点で考察してみたりするとより面白さや切なさ、愛情を感じられるのではないかと思う。
さて、記憶がこぼれ落ちる前に『超かぐや姫!』で観測した狐を紹介していくとしよう。
本作品に登場する狐 その1
『超かぐや姫!』には2人の狐が登場する。
1人目はヤチヨとのデュエット者を決める「Yachiyo CUP」の説明動画でヤチヨの隣に登場していた男性狐アバター(以下、男狐)である。
名前も声も出ていなかった存在なのだが、映画を観た人は覚えているだろうか??
この男狐は明るい茶短髪で黄緑色のような浴衣を着ており、肌はうすだいだい色で目尻を赤く彩った吊り眉吊り目の元気っぽそうな青年である。
キタキツネと同じような尖った耳とふさふさで大きな尻尾があり、先端は黒くなっており人目で狐であると分かる見た目となっている。
その他の特徴としては、八重歯があり、キツネ色の1mほどある長いファーを首に掛け、黒帯に赤紐で浴衣を締めている。
白い足袋に、鼻緒が赤い黒色の下駄を履いている。人耳とケモミミを同時に持つ4つ耳族だ。
画像を見せられれば容姿は一発で伝えられるのだが、公式画像がなく引用できないため文字での説明でご容赦いただきたい。
ヤチヨともデュエットしたいが、この男狐ともデュエットしてみたい!
しかし、この名もなき男狐の紹介はこれ以降の登場も情報もないためここで終わりとする。
いったい誰だったんだこの男狐は……!?
本作品に登場する狐 その2
さて、2人目はいよいよお待ちかね、この作品から絶対に外れてはならない主人公の一人「酒寄 彩葉(さかより いろは)」である。
正確にはインターネット上の仮想空間「ツクヨミ」にいるときの彩葉のアバターだ。
サムネイル画像に2人並んで表示されているショルダーキーボードを掛けている左側にいるケモミミ娘だ。
CVは永瀬アンナさん。
ツクヨミ上の外見を文字で補足すると下記のようになっている。
【頭】
手のひらサイズの大きく三角に尖った狐耳が生えており、耳はキツネ色で耳の内側に白いフサフサした毛が生えている。
とてもさわり心地が良さそうなお耳である。
額には伝説の生物カーバンクルのように菱形の赤い宝石のようなものが親指の第一関節程度のサイズで付いている。
【髪】
色は紫掛かった黒色で、長さは肩に届くかどうかくらいのショートボブ。作中ではサラサラに見えるが跳ねた毛の描写も多いことから実際はクセ毛の可能性もある。
いずれにしても髪の下から上に向かってフワッとしたくなる髪質である。
髪色については現実世界が黒髪でその黒よりも紫が入っており、妖狐のカラーでよく見る紫を取り入れたのでは無いかと考えられる。
ショートボブの髪の隙間から人耳が見えるので4つ耳族であることが分かる。
【目】
強い女性を連想させる細くてやや吊った眉を持ち、目もぱっちりと大きく目尻が高い。
ツクヨミアバターの顔は現実世界の顔立ちよりもやや目がキリッとしており、歌舞伎の目張りのように目尻を赤いアイシャドウをのせている。
私は目尻が赤い娘を好きになりがち。
【瞳】
色はハイライトの入った明るい緑色。
現実世界では特定の時期までハイライトの描写が少ないないため、ツクヨミでの彩葉は現実との対比として活き活きと明るい印象(居心地の良い世界)を表現していると考えられる。
【口】
様々な表情を見せるが、現実でもツクヨミでも生真面目な人にありがちな閉じた口(一本線)が描かれていることが多い。
だからこそ表情を変えたときの印象がガラッと変わるので心がコンコンする。
【体】
色は白寄りのうすだいだい色。
福が長袖のため上半身は想像になるが、太もものサイズを見るに現実と体型がほぼ変わっていないことからかなり華奢な体付きであると想像できる。
腕も脚もスタイルの良い細さではなく、あまり食べていないときの細さと言えば良いだろうか、お金が無くかなり切り詰めた生活の苦労が伺える。
実際、高校生で一人暮らしで生活費も学費も自分で稼いでいる子なので間違ってはないと思う。
本当に頑張りすぎて体調を崩したりしないようにしてほしい……。
【服】
朧花色(おぼろはないろ)っぽい厚手の長袖パーカーの上から、花紺青(はなこんじょう)色っぽい某のけ姫のアシタカが着ているような甚平を纏っている。
甚平の振り袖部や腰から下にかけて花浅葱(はなあさぎ)色のような鮮やかで明るい色にグラデーションがかかっている。
甚平にはいくつか白色の模様が施されており、左右の肩と脇の間あたりに雷太鼓のような直径5cm程度の右三つ巴模様がそれぞれ1つずつ描かれている。
これは竹取物語の絵巻物に雷神が描かれていることがあるらしいので恐らくその模様だと思われる。
甚平の左前裾あたりには直径50cm程度で線の太さが5cmほどの真円が下1/4程度見切れた状態で描かれており、円の中には下向きの柄無し紅葉の葉が円や裾に触れない程度のサイズで2cm程度の太さの線で描かれている。
真円は恐らく三日月を表していて、伝わりやすいと思い紅葉の葉と表現した模様は恐らくテーマが竹取物語なので笹の葉なのではないかと推測している。
かぐやの方ではなく、彩葉の衣装に竹取物語を連想させる模様があしらわれている。
彩葉を竹取物語の翁と捉えるならば、かぐや姫が月に帰った後、残された翁が記憶(未練)として残した印象的な模様たちなのではないかと予想。
アバターの模様を決めるのは彩葉だが、偶然この模様となったのか、はたまたなるべくしてなった模様なのかは別の考察が必要そうだ。
【腰】
服のデザインとしてはもう少し特徴があり、甚平を締める腰帯が黒い皮製となっている。
これは「KASSEN」などの戦闘用として僅かに防御性能を高めたものと予想している。
そして、その帯からはオーバーオールのように革製のベルトが後ろ帯からはじまり両肩に掛かるような形で付いており、それぞれのベルトの先が帯の前部を通って甚平の裾よりわずかに下の位置まで垂れ下がる作りとなっている。
両方のベルトには長さを調節する銀色のバックルが前方あたりに付いており、垂れ下がっているベルトの左脚側にはキーホルダーなどがつけられそうな半月状で銀色の金属リングが2つ付いている。
垂れ下がった両ベルトの先端はV字となっており、V部分には銀色の金属カバーのようなものが付いている。
さらに帯の右半分からは右足の太ももを覆うくらいの長さの黒色のレースがなびいている。
尾てい骨部分からは彩葉の太ももの4倍ほどの太さはあるであろう大きくてモフモフのキツネ色の尻尾がふくらはぎ辺りまで垂れ下がっている。
後ろから見る描写的に体から直接尻尾が生えて裾の下から出ていたり、服に尻尾用の穴を尾てい骨部に開けているという感じではなく、服から生えているような見た目となっている。
これは仮想空間のアバターであるということやケモノ関連の部位がアクセサリー扱いであることが考えられる。
理想は身体から直接生えていることだが、尻尾があれば服から生えていても良しとする。
身体から生えていなければ公共の場で触ってもきっと大丈夫だし!
【手】
ピアノを弾きやすそうな華奢で綺麗で細く長い手指で、10個の爪は勿忘草(わすれなぐさ)のような色でネイルしている。
この作品ではかぐやと指を絡ませる描写が何度かあるのだが、私も絡ませたい。
【脚】
左太腿の中部あたりに黒く細いベルトが巻いてあり、そのベルトを軸に黒いガーターストッキングのようなものを履き、くノ一で見るような仕上がりとなっている。
両足はふくらはぎ程度までの長さの黒いロングブーツを履いており、両ブーツのふくらはぎ部分には2本のベルトとバックルで外面に向けて締めており、脚の甲の付け根あたりにも同様のベルトとバックル1本ずつが外面に向けて湿られている
【その他】
[楽器]
彩葉の特徴的なアイテムとして、「楽器」と「武器」がある。
まず、楽器については「37鍵ギター電子キーボード」である。
彩葉はピアノを弾きやすそうな手を持っているだけではなくちゃんとピアノが弾ける。
作品内でもピアノを引く描写や作曲している描写が多々あることから、レベルは多少ではなく"かなり"弾けるレベルだと思われる。
そんな特徴的なピアノをバーチャルライブで演奏するときに使用するのがこの「37鍵ギター電子キーボード」である。
サムネイルの画像で彩葉が持っているショルダーキーボードがそれだ。
このキーボードのモデルとなった製品があるか調べてみたが、すぐには見つからなかったのでツクヨミ専用とみて形状を簡単に捕捉説明する。
ギター電子キーボードというのは名前の通りギターの形状に近いキーボードで肩掛けてキーボードを弾けるため歩きながら弾けるというメリットがある。
キーボードはライブなどでは基本的に地面に固定されていることが多く、躍動感のあるパフォーマンスをしづらい楽器なのだが、ギター電子キーボードはギターやベースなどと同じような動きができるので、パフォーマンスのしづらさを取り払った"魅せる"楽器となっている。
ただし弾くにはコツがいるので、かなり弾きづらい……。
ショルダーキーボードで検索すると概ね同じような形状が表示される。
彩葉のギター電子キーボードも例外ではなく同じような形状となっている。
月白(げっぱく)のような色をしたネックと呼ばれる細長く伸びている部分の先端はタコ引包丁のように真っ直ぐではなく、骨切包丁のように少し幅広となる形状をしており、同じ箇所にヤチヨが抱えているメンダコのキャラクターストラップが付いている。
キーボードのボディはネックの色よりもやや暗い灰青っぽい色をしており、四分音符の尻尾を内側に反転させたような丸みを帯びた形状をしている。
四分音符の頭に当たる部分にはJの字を描くように下から空色の水玉が握りこぶしサイズの真円、直径を半分にした同じ真円、同様にさらに半分にした真円の3つが描かれている。
鍵盤は基本的なピアノと同じく白と黒の鍵盤カラーとなっており、鍵盤数はC(ド)から始まる37鍵となっている。
もしこのキーボードが発売されたなら私は買うことになるだろう。
[武器]
続いて武器について。
彩葉の武器は紅葉の種のような特殊な形状しており、大きく2つに形状変化可能な武器となっている。
1つ目はL字をしたブーメラン型の両手剣でL時の内側に当たる部分に刃があり、外側に持ち手があるような形状だ。
長さは最も長い部分が彩葉の頭から膝辺りまである大きな武器で本体は黒色で刃はきつね色となっている。
L字の付け根の左右それぞれには手のひらサイズの大きな丸穴が空いており、内側が刃と同じキツネ色で彩られている。
刃の両面でデザインが異なっており、裏面は装飾がなく刃以外は黒色なシンプルなものとなっている。
表面はまず刃の延長のような形で持ち手まできつね色があしらわれており、某遊戯のデュエルディスクのような区切りが4つあり、先端の区切りから順に1つ1つ2つと彩葉のギター電子ピアノにあるような空色の真円がデザインされている。
中でも特徴的なのが、L時の短い線に該当する方にはキーボードの鍵盤が刃の反対側にデザインされていてとてもオシャレだ。
両手剣なので白兵戦として使用することもできるが、ブーメランとして遠距離戦でも使用することができる遠近両用の武器。
文武両道な彩葉にふさわしい一人で二役こなせる武器となっている。
取り扱いが難しそうな形状の武器を自由に扱っている彩葉の器用さも同時に味わえる彩葉よりどりみどりパックの武器である。
2つ目はこのL字の付け根部分で分離した双剣モード。
両手剣モードを左右に分解しただけなので大きくデザインが変わることはない。
持ち手は両手剣モードで空いていた大きな2個所の丸穴が左右それぞれの持ち手となっている。
双剣モードでは持ち手の左右それぞれ下の部分から10mはあるであろう結構な長さのワイヤーを射出することができ、前後上下左右3次元高速移動に使用したり、ワイヤーを使って敵を拘束したりするなど戦闘をサポートする機能も付いている。
扱いは相当難しいだろうが、本当に一人でほぼ全てを対処できる超万能武器となっている。
ちなみに彩葉の母親の名前は"紅葉"で、彩葉が扱う武器の形は紅葉の種(子)である。
改めて彩葉の容姿設定を見てみるとかなり細かい部分まで拘っており、制作陣の彩葉へのただならぬ愛を感じられるデザインとなっていることが分かる。
酒寄彩葉は超○○
続いては彩葉の内面について覗いていこう。
Xの『超かぐや姫!』公式によると酒寄彩葉について以下のように紹介されている。
17歳の女子高生。
学校では文武両道の優等生だが、その実
自力で生活費と学費を稼ぐ苦労人。
『ツクヨミ』のトップライバーである
月見ヤチヨを推している。
音楽経験があり作曲ができるが
とある理由から辞めてしまった。
文武両道・容姿端麗・完璧超人とはそう酒寄彩葉のこと。
しかし、名言はされていないが、恐らく料理は苦手なのではないだろうか。
その理由の一つがかぐやにパンケーキを作ってあげたシーン。
貧しいが故に材料が無かったこともあるだろうが、彩葉が粉と水のパンケーキを作り、それを食べたかぐやが不味いと言った描写だ。
以降、彩葉が直接料理をしているシーンが一度もないことから、彩葉は食材を買うお金がないため、料理レパートリーがほぼなく、結果として料理が苦手なのだと考えられる。
もう一つの理由として、彩葉自身が食材に手を加えている描写が、コンビニで買ったオムライスをかぐや用にお皿に移し替えているシーン、同じくコンビニかバイト先でもらったであろう紙ボウルに入ったサラダ、新居での製麺機でパスタを製麺しているところだけで、料理自体はしていないところからも料理までは完璧ではないことが伺える。
反対に料理をしている描写が複数あるのは同棲しているかぐやの方で、高い食材をたくさん使っているとはいえ、かぐやが作った料理に対して彩葉は心の底から美味しい物を食べた感想を零している。
このような描写が多いことから、彩葉は料理が苦手であることが分かると同時に、料理が得意なかぐやがそれをカバーしている何ともてぇてぇ永久機関が製造されて、2人だけではなく視聴者全員に幸せを振りまくコラボレーションスキルとなり、苦手であることが悪いことではないことも肯定的かつ間接的に伝えてくれている。
完璧超人なのに苦手な一面もあるのは凄く愛らしくて良い。
自力で生活費と学費を稼ぐ苦労人という人間性も私に半分リンクしていて、半分はリンクしていないものを持っていてとても惹かれてしまう。
何かしなきゃという義務感で一人で何でも抱え込む点は凄く共感する一方、つまずいても最後まで諦めないところは私にないところだ。
まず高校生で遊び盛りの時期だと思うのに、勉強にバイト、一人暮らしをしているところが私にはできないところで尊敬している。
加えて、超無理限界ギリの状態で迎える三連休前日の帰り道にゲーミング電柱で出逢った赤ちゃんかぐやをなけなしのお金と時間をつかってまで誰にも相談せずしっかり面倒を見ているところがもう限界ギリギリで大変なのに毎日通帳とにらめっこしながら朝早くから炊事洗濯掃除してくれるのはもはやお母さんなのよ。
加えて倹約家である彩葉なのに見ず知らずのかぐやのためにやすい方ではなく高い方のオムツを買ってあげたり、食事も彩葉の数倍する値段の物を食べさせてあげたりと心の底から相手を思いやる心が無いとできない"愛"を感じさせる描写がたくさん見られる。
高校生だよ?微力ながらでも支えてあげたくなってしまう。
お金稼ぎと洗濯と掃除は私がやるから、彩葉は推し活に時間を使ってくれ!
ただ、私も料理は苦手なのでそこはご勘弁を……。
そんな現実世界を生きる完璧超人彩葉は仮想世界『ツクヨミ』においてもその力を発揮している。
作品内の描写で『ツクヨミ』は「KASSEN(かっせん)」と呼ばれる対戦ゲームやライブや雑談を行う交流の場として描かれている。
「KASSEN」とは某PEXや某RANTを和版にアレンジしたような3vs3などで戦うマルチプレイヤーチーム陣取り合戦である。
陣取り合戦に加えてプレイヤー同士の戦闘が存在するため、戦況に応じた判断力や行動力、チームメンバーとのコミュニケーション、相手プレイヤーを的確に攻撃するための正確さなど様々なスキルが総合的に必要とされるゲームである。
彩葉はこの「KASSEN」においても持ち前の頭の良さや判断の速さ、技術力を活かして数々のプレイヤーを打ち倒している。
ブーメラン型の両手剣を操作するスキルやプロゲーマーグループ"Black onyX(ブラックオニキス)"通称「黒鬼」とも互角に戦える実力、戦況に合わせて仲間を頼ることを覚えたり、武器交換して戦ったりと様々な狡猾な芸をツクヨミ内で魅せてくれる。
現実世界でも仮装世界でも無双する超彩葉姫。
そもそもなぜ狐なのだろうか?
彩葉は狐好き?
まず、仮想空間『ツクヨミ』での彩葉のアバターについて。
アバターとはいわば、別世界に住むもう一人の自分だ。
この作品ではかぐやが初めて『ツクヨミ』にログインしたときにアバターを決める描写があった。
パーツ毎にかなり数多く細かく設定できそうな画面までは表示されていた。
そんなたくさんある中でケモミミを付ける選択をし、犬や猫、兎などではなく"狐"を選択してくれた彩葉に拍手。
彩葉が狐を選択した理由までは明かされていないので考察してみる。
大きく考えられる説は彩葉の "仮面" 説。
ここでの仮面は心の二面性(表と裏)という意味合いだ。
どういうことかというと、彩葉の親友である綾紬芦花(あやつむぎ ろか)の言動から「彩華が心の底から笑っていない」であったり「ふと消えてしまいそう」といった描写があり、彩葉が普段人に見せている姿は誰から見ても輝いている人でいることを演じている状態なのである。
親友の目にはこの仮面が見破られてしまっている訳だが、こうした演技=人を化かすことは彩葉自身も認識しているところから、人を化かす存在である"狐"を選んだのではないだろうかという説。
もう一つは単純に彩葉が動物の中で狐が好きだということ。
彩葉のアバターには実はもう一種類あり、自身を完全に覆い隠す狐の着ぐるみアバター(別名:いろPマスコット)が存在する。
※Pはプロデューサーの略で、本作ではかぐやをプロデュースしていることからこの名が付いている。
この着ぐるみは自身が彩葉であることを周りにバレないようにするためのものなのだが、カモフラージュが目的なのであれば狐以外の着ぐるみを選んでも良かったはずだ。
人型アバターが狐だから何も考えずに着ぐるみも狐に統一したという考えもなくはないが、慎重で細かなところまで考えを巡らす彩葉が何も考えずに選択するとは考えづらい。
仮に何も考えずにカモフラージュするのであれば、プロデュースするかぐやの兎の着ぐるみを着たほうが安直でわかりやすい。
それでも狐のマスコットをカモフラージュで使用しているという点から彩葉が単純に狐好きである可能性が極めて高いと考えられる説である。
仮にどちらの理由であっても彩葉が狐を選択してくれたことに世界中の全私からスタンディングオベーションを送りたい。
どちらの説にせよ、狐を選んだ彩葉と仲良くなれそうな気がする。
命の灯火尽きるまで狐について語り明かそうではないか。
めでたし めでたし
涙を流す映画はいくつか観てきたが、ここまで泣いて考察までした映画は初めてでとても良い作品に出会えたことに感謝している。
彩葉のアバターが狐でなかったら観ていなかった可能性が高いのだから、この作品に出会うことはもう運命だったのだろう。
1回目と2回目で見方や感想が変わると言った通り、何回観ても味がするタイプの作品だと思うのでこれからも観てみたいと思う。
そしてこの作品を観るたびに脱水症状になっていくんだ。
脱水症状でいつか倒れた時、きっと彩葉が迎えに来てくれるはずだ。
そしたら一緒に高層マンションに住んで、毎日ゲーミング箸で美味しいご飯を食べて、ツクヨミに潜ってコンコンするんだ!
最後に余談だが、記事の途中で紹介した曲「ray」について、動画内の1:25辺りで「忠犬ハチ公」というツクヨミインフルエンサーが「いろPが踊った~!!!」と言っているシーン。
ここも映画を観る前と観た後で見方が変わった箇所だ。
映画を観る前に動画を観た時は、いろPって誰だ!?彩葉の後ろにいる子達か!?確かに踊ってる!?状態だった。
ハチ公が驚いている通り、作中で彩葉が全身を使って踊っているのはこの「ray」が初めてで、いくつかあったライブパートでは全てショルダーキーボードを弾いていたため振り付けがある踊りをしていなかったのだ。
ちなみに彩葉はライブをする時は狐耳と尻尾は付いていない。
付いていないのは残念だし、その理由を説明するような描写は作中にはないのだが、これは以下のように解釈できる。
"彩葉はキーボードを通じて素の自分を出せる"
彩葉にとってキーボードは優しかった父との大切な思い出であり、英才教育で厳しかった母へのトラウマでもある。
彩葉が幼い頃に父を亡くしてから母のトラウマで上書きされてしまったキーボードはきっと彩葉にとって封印された存在だったはずだ。
その封印を解いたのはかぐやで彩葉はキーボードを演奏する機会を取り戻す。
彩葉にとってキーボードとは父と作曲するほど大好きだったのだろう。
キーボードとは、彩葉の心の奥底にあった偽りのない仮面を外した自分自身だと考えられる。
かぐやがいなくなってからも自分の想いを伝えるために、徹夜で部屋も掃除せずに作曲し続ける描写もあるくらい彩葉を奮い立たせる楽器なのだと思う。
キーボードを持った彩葉は偽りのない自分な訳だから仮面を被る必要がない、つまり狐に化ける必要がないため狐耳と尻尾が無いのではないかと考えられる。
では、、、
キーボードを持っていない「ray」の動画はどういうことなのだろうか?
これには彩葉の成長が大きく絡んでいると考えられる。
高校生の頃は仮面を被りつつもキーボードを通じて素の自分を表現していた。
だから作中のライブではキーボードを持つことで、狐耳と尻尾なしでステージに立てていた。
「ray」に登場する彩葉はそこから10年経過した世界である。
かぐやに出逢ってからというもの彩葉の心は芦花達が感じるほどに大きく花開くように変化していった。
彩葉はかぐやを通じて本当の自分を取り戻していったのだ。
彩葉が大きく変化した描写は多く描かれているが、すぐに思いつくものでも
・とびきりの笑顔をよく見せるようになったこと
・人に相談できるようになったこと
・10年以上思いを寄せることができるぐらい大切な人ができたこと
が挙げられる。
このような変化には彩葉自身もきっと気づいており、仮面の姿の自分自身とお別れできたから、狐耳と尻尾も心の奥に閉まったのではないだろうか。
なにはともあれ涙は最後に晴れて虹となって本当に良かった!
それはそうと高校を卒業して10年が経過した彩葉が全力で楽しそうに踊っているシーン、あれ反則過ぎません?

映画の超美麗特典もありがとうございます! 大切にさせていただきます!