くずのはぎつね 葛の葉狐
葛の葉狐は、日本の伝承に登場する白狐であり、陰陽師・安倍晴明の母とされることで知られている。人間と狐との異類婚姻譚(いるいこんいんたん)を代表する物語の一つである。
葛の葉狐は、日本各地に伝わる狐の伝説に登場する白狐である。特に大阪府和泉市や大阪府堺市周辺に伝わる物語が有名で、陰陽師・安倍晴明の母であったとされている。
物語では、白狐が人間の女性「葛の葉」に姿を変え、安倍保名(あべのやすな)と夫婦になり、晴明を授かる。しかし正体が狐であることが知られたため、葛の葉は子どもと夫を残して森へ帰ることになる。
去り際には、
「恋しくば 尋ね来てみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」
という歌を残したと伝えられる。
この伝説は、浄瑠璃や歌舞伎『蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』などの題材となり、日本文化に大きな影響を与えた。
「葛の葉」とは変身した女性の名であり、植物の葛(くず)との関係を示すとも考えられている。
葛の葉伝説は、人間と動物・神・妖怪が夫婦となる「異類婚姻譚」の代表例である。
日本では
葛の葉狐
鶴の恩返し
蛇女房
などがよく知られている。