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きつねのよめとりだいさくせん!/ごんた(さんぺいゆうこ) 狐のヨメ取り大作戦!/ゴン太(CV:三瓶由布子)

「狐のヨメ取り大作戦!」は、TVアニメ『猫神やおよろず』に登場するゴン太のキャラクターソングである。ゴン太役の三瓶由布子が歌唱し、2011年7月27日に発売された『TVアニメ「猫神やおよろず」キャラクターソング Vol.1 柚子(CV.堀江由衣)&ゴン太(CV.三瓶由布子)』の2曲目に収録された。作詞はこだまさおり、作曲・編曲は高田暁が担当している。楽曲時間は3分45秒である。 本曲は、稲荷神の少年・ゴン太が、想いを寄せる古宮柚子へ結婚を申し込もうと奮闘する内容のキャラクターソングである。歌詞では「狐」「嫁入り」「求婚」「祝言」「巫女」「商売繁盛」など、ゴン太の稲荷神としての設定と結婚願望を結び付けた言葉が多数登場する。 タイトルの「ヨメ取り」は一般的な「狐の嫁入り」とは少し異なる。本作では狐であるゴン太自身が「嫁を取る」側であり、人間の女性である柚子に自分の嫁になってほしいと求婚する。そのため、日本の狐文化でよく知られる「狐の嫁入り」という言葉を、ゴン太の恋愛設定に合わせて逆方向からもじった題名と見ることができる。

基本情報

タイトル:狐のヨメ取り大作戦!
歌:ゴン太(CV:三瓶由布子)
作詞:こだまさおり
作曲:高田暁
編曲:高田暁
使用作品:TVアニメ『猫神やおよろず』
収録作品:TVアニメ『猫神やおよろず』キャラクターソング Vol.1 柚子(CV.堀江由衣)&ゴン太(CV.三瓶由布子)
発売日:2011年7月27日
収録順:2曲目
楽曲時間:3分45秒
品番:LASM-4108
レーベル:GloryHeaven
発売元:ランティス
国:日本

同シングルには以下の4曲が収録されている。

  1. お守りみたいにきこえてる/柚子(CV:堀江由衣)
  2. 狐のヨメ取り大作戦!/ゴン太(CV:三瓶由布子)
  3. お守りみたいにきこえてる(INST)
  4. 狐のヨメ取り大作戦!(INST)

楽曲について

「狐のヨメ取り大作戦!」は、ゴン太が柚子への恋心を全開にして歌う、非常にコミカルな求婚ソングである。

ゴン太は柚子を理想の女性として見ており、結婚した後の生活までかなり具体的に想像している。歌詞では巫女姿や割烹着、良妻賢母といった理想像を並べ、将来的に幸せな家庭を築きたいという願望を語る。

しかし、恋愛の進め方はかなり一方的である。

柚子本人の気持ちを十分に確認する以前から、

結婚したい
祝言を挙げたい
伴侶になってほしい
一緒に家庭を築きたい

と、ゴン太の想像はどんどん先へ進んでしまう。

この暴走気味の一途さが、ゴン太というキャラクターの恋愛面をよく表している。

キツネとの関係

本作とキツネとの関係は非常に強い。

まず、歌っているゴン太自身が稲荷神である。CD公式紹介でも「稲荷神の少年・ゴン太」と明記されている。

さらに歌詞では自分自身を狐として扱い、柚子へ「狐に嫁入り」しないかと求婚する。

したがって本作には、

稲荷神
狐
嫁入り
結婚
祝言
巫女
商売繁盛
「コン」という鳴き声

といった狐・稲荷文化に関係する言葉が集中している。

単に狐という単語を題名へ使っただけではなく、狐神キャラクターの結婚願望そのものを歌った作品である。

ゴン太

ゴン太は『猫神やおよろず』に登場する稲荷神の少年である。

資料上では本名を「大宮道主命」とする設定も確認できるが、周囲からはほぼ「ゴン太」と呼ばれている。柚子に片思いをしており、その恋がなかなか報われない人物として描かれる。

アニメ公式サイトの各話紹介でも、ゴン太自身が「我が稲荷神社」と語るエピソードがあり、稲荷神社と深く結び付いたキャラクターであることが分かる。

「狐のヨメ取り大作戦!」は、そのゴン太の恋愛面に焦点を当てたキャラクターソングである。

稲荷神と狐

日本では稲荷信仰と狐との関係が非常に深い。

一般に神社で見られる狐像は、稲荷神そのものではなく稲荷神の眷属・使いとして理解されることが多い。

一方、『猫神やおよろず』のゴン太は「稲荷神の少年」として擬人化されたキャラクターであり、本曲ではさらに自らを「狐」として扱っている。公式のキャラクターソング紹介でも、稲荷神であるゴン太が歌う作品として明示されている。

つまり本作では、

稲荷神

と

狐

がキャラクター設定上ほぼ一体化した形で扱われている。

これは厳密な神道上の分類を再現したものというより、『猫神やおよろず』独自のキャラクター表現として捉えるのが適切である。

「コン! 結婚! 求婚!」

楽曲冒頭では、狐を象徴する「コン」と「結婚」「求婚」を連続させる言葉遊びが使用されている。

ここでは、

コン=狐の鳴き声
結婚=ゴン太の目標
求婚=そのための行動

が一続きの響きとしてまとめられている。

日本では「コンコン」が狐の鳴き声として広く定着しているため、わずかなフレーズだけで、

狐
↓
恋愛
↓
結婚

というこの楽曲のテーマを一気に示している。

タイトルと同様、狐文化と言葉遊びを組み合わせた表現である。

「狐の嫁入り」と「狐のヨメ取り」

本曲の題名で特に面白いのが、「狐の嫁入り」ではなく「狐のヨメ取り」となっていることである。

「狐の嫁入り」は、日本で古くから知られる狐にまつわる言葉である。

晴れているのに雨が降る天気雨や、夜に怪しい灯火が連なる現象を狐の婚礼に見立てた伝承が知られている。

しかし本曲では、

狐が嫁入りする

のではない。

狐であるゴン太が、

嫁を迎えようとする。

つまり、

狐の嫁入り
↓
狐のヨメ取り

へと視点を反転させている。

しかも歌詞ではゴン太自身が柚子に対し「狐に嫁入り」してほしいと誘うため、一般的な「狐の嫁入り」という言葉も楽曲内部へ取り込まれている。

題名と歌詞の両方で「狐の嫁入り」を恋愛ギャグへ変換した作品である。

柚子

ゴン太が結婚したいと願っている相手が、古宮柚子である。

柚子は『猫神やおよろず』の主要人物の一人で、主人公・繭が居候している骨董店「八百万堂」に関わる少女である。キャラクターソングVol.1でも、柚子とゴン太が組み合わせられ、

柚子「お守りみたいにきこえてる」

ゴン太「狐のヨメ取り大作戦!」

という2曲が収録された。

アニメ公式のエピソード紹介でも、ゴン太が柚子との海水浴を大喜びするなど、彼が柚子へ強い好意を持っていることが描かれている。

その片思いを曲にしたのが本作である。

巫女姿

ゴン太は歌詞の中で、柚子の将来像として巫女姿を思い描いている。

ここにも稲荷神であるゴン太らしさが表れている。

一般的な恋愛ソングなら、

ドレス姿
家庭生活
デート

などを想像するところだが、ゴン太の場合は神社との関係があるため「巫女」が理想の結婚生活へ入り込む。

稲荷神の少年が巫女姿の女性を嫁として迎えたいという構図になっており、恋愛と神社文化が自然に混在している。

良妻賢母への憧れ

歌詞では、ゴン太が柚子を「良妻賢母」になりそうな女性として理想化している。

巫女姿。

割烹着。

家庭。

伴侶。

祝言。

と、彼の中ではすでにかなり具体的な結婚生活が出来上がっている。

これはゴン太の一途さを示す一方で、かなり先走っている。

まだ恋が成立していない段階なのに、すでに結婚後の生活へ思考が進んでいるため、キャラクターソングとしてコミカルな味わいになっている。

「自作自演」の神の采配

本作では、柚子との出会いを「神の采配」と考えようとしながら、自分自身も神なのであれば自作自演になってしまうのではないか、という趣旨のギャグも登場する。

これは『猫神やおよろず』ならではの表現である。

通常の人間なら、

「神様が巡り合わせてくれた」

と言える。

しかしゴン太自身が神である。

そのため、

神の采配
↓
自分も神
↓
それでは自作自演なのか

というメタ的な笑いが成立する。

狐神・稲荷神という設定を、恋愛ソングの歌詞へ直接利用した例である。

商売繁盛

歌詞では、結婚後に柚子とともに町を切り盛りし、「商売繁盛」へつなげたいという願望も語られる。

「商売繁盛」は稲荷信仰と非常に関係の深い言葉である。

稲荷神は農耕だけでなく、時代とともに商売繁盛や産業の神としても広く信仰されるようになった。

そのため、稲荷神であるゴン太の結婚願望の中へ「商売繁盛」が登場するのは、キャラクター設定に合った表現となっている。

恋愛だけでなく、

結婚
家庭
町
商売繁盛

までを一続きの未来として夢見ている。

祝言

歌詞で何度も重要になるのが「祝言」である。

祝言は、結婚式や婚礼を意味する古風な日本語である。

一般的な現代の恋愛ソングであれば「ウェディング」「結婚式」などと表現しそうなところを、本作では「祝言」としている。

これは、

狐
稲荷神
神社
巫女

といった和風のキャラクター設定によく合っている。

「狐の嫁入り」という昔話的な題名との統一感もあり、楽曲全体に古風でコミカルな婚礼イメージを与えている。

「永久不滅」「永久就職」

本作では「永久」に関する言葉も繰り返される。

ゴン太は柚子への想いを永遠のものとして捉え、結婚についても人生をともにする伴侶という意味で考えている。

神という人間とは異なる存在が「永久」を口にすることで、少し大げさな印象も生まれる。

さらに「永久就職」という現実的な表現も混ざることで、

神様らしい壮大さ

と

昭和的・人間的な結婚観

が同居している。

このミスマッチも、本曲のコミカルさを生んでいる。

妖狐の恋ではない

「狐のヨメ取り大作戦!」という題名だけを見ると、人間へ化けた妖狐が女性を誘惑するような作品にも思える。

しかし本作の狐表現はそれとは大きく異なる。

ゴン太は、

人間を騙さない
幻術で惑わせない
恋人を奪わない
恐ろしい妖狐ではない

というキャラクターである。

むしろ、自分の恋愛感情を隠せず、真正面から求婚してしまう。

昔話の狐が「人間を化かす存在」だとすれば、ゴン太は恋愛によって自分自身が振り回されている狐神である。

狐と人間の異類婚姻

本作を狐文化という観点から見ると、「狐と人間の結婚」という要素も重要である。

日本には古くから、狐が人間の姿へ化けて人間と結婚する異類婚姻譚が存在する。

代表例として「葛の葉」などが知られている。

一方「狐のヨメ取り大作戦!」では、その構図がかなり現代的かつコミカルになっている。

神秘的な狐の女性が人間の男性と結婚するのではなく、

男性側=狐神のゴン太
女性側=人間の柚子

となっている。

しかも秘密の結婚ではなく、本人が堂々と求婚している。

古典的な狐の異類婚姻を思わせる要素を持ちながら、それをラブコメディへ転換した形である。

『猫神やおよろず』

『猫神やおよろず』は、FLIPFLOPsによる漫画を原作とする作品で、2011年7月から9月にTVアニメが放送された。アニメはAIC PLUS+が制作し、全12話に加えてOVAも制作されている。

物語は、21世紀にも八百万の神々が存在する世界を舞台に、猫神・繭と人間の少女・柚子、その周囲へ集まるさまざまな神々の日常を描くコメディである。

ゴン太もその神々の一人として登場する。

そのため「狐のヨメ取り大作戦!」も、狐だけを独立して描いた作品ではなく、『猫神やおよろず』の神々が身近に暮らす世界観の中で生まれたキャラクターソングである。

アニメでのゴン太と柚子

アニメでもゴン太の柚子への好意は繰り返し描かれる。

第5話の公式あらすじでは、商店街の福引きに当選したゴン太が柚子と海水浴へ行けることに大喜びし、柚子の水着姿を期待して暴走する様子が紹介されている。

また、ゴン太自身の稲荷神社を舞台とするエピソードも存在し、稲荷神としての設定と柚子への恋愛がアニメ本編でも並行して描かれている。

本曲は、それらの要素を約4分のキャラクターソングへ凝縮した作品といえる。

キャラクターソング Vol.1

本曲が収録された『TVアニメ「猫神やおよろず」キャラクターソング Vol.1』は、2011年7月27日にGloryHeavenから発売された。

第1弾では、

柚子

と

ゴン太

という組み合わせが選ばれている。

柚子の「お守りみたいにきこえてる」に対し、ゴン太側は「狐のヨメ取り大作戦!」。

一方が柚子自身のキャラクターソング、もう一方がその柚子へ猛烈な求婚を仕掛けるゴン太の曲という構成になっている。

二人の関係を理解したうえで聴くと、よりキャラクター性が分かりやすいシングルである。

三瓶由布子

ゴン太の声と歌唱を担当しているのは声優の三瓶由布子である。

アニメ『猫神やおよろず』でもゴン太役を担当しており、キャラクターソングでも同じ声優が歌唱している。AT-Xの作品紹介でもゴン太役として三瓶由布子がクレジットされている。

そのため「狐のヨメ取り大作戦!」は、単にゴン太をイメージした第三者による歌ではない。

ゴン太本人が柚子へ語りかけている体裁の「キャラクター本人歌唱型」の楽曲である。

こだまさおり・高田暁

作詞を担当したのは、こだまさおりである。

作曲・編曲はいずれも高田暁が担当した。歌ネット、紀伊國屋書店、音楽レーベルのカタログで同じクレジットが確認できる。

こだまさおりは、ゴン太の設定を活用し、

コン
結婚
求婚
狐
嫁入り
祝言
巫女
商売繁盛

といった言葉を一つの歌詞へ集約している。

そのためキャラクター設定と狐・稲荷文化を言葉遊びに転換した点が、本作の大きな特徴となっている。

狐関連楽曲としての位置付け

「狐のヨメ取り大作戦!」は、狐との関係が非常に強いキャラクターソングである。

整理すると、

主人公・歌唱キャラクターが稲荷神のゴン太
ゴン太自身が狐として扱われる
狐の鳴き声「コン」を使用
「狐に嫁入り」という求婚
「狐の嫁入り」をもじったタイトル
巫女・祝言など神社・婚礼要素
商売繁盛という稲荷信仰を思わせる語

などが確認できる。

特に重要なのは、一般的な「狐の嫁入り」を「狐のヨメ取り」へ反転させている点である。

狐が嫁ぐのではなく、

狐が嫁を探す。

そして狐神のゴン太が人間の柚子へ「自分のところに嫁入りしてほしい」と真正面から求婚する。

日本の狐文化にある婚姻・稲荷・鳴き声といった要素を、アニメキャラクターの片思いへ落とし込んだ、明るくコミカルな狐関連キャラクターソングである。

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