きつねのまゆはけ こがらすじんじゃきたん 狐の眉刷毛 小烏神社奇譚
篠綾子による時代小説で、「小烏神社奇譚」シリーズ第4作である。2021年に幻冬舎時代小説文庫から刊行された。 江戸時代を舞台に、小烏神社の宮司・竜晴と本草学者・泰山が、草木や信仰、人々の心にまつわる不可思議な事件を解き明かしていく人気シリーズの一冊である。
あらすじ・内容
小烏神社の氏子である花枝のもとへ、大奥に奉公している幼なじみ・お蘭から手紙が届く。
再会を喜んだ花枝だったが、お蘭は「誰かに呪われている」と怯え、心身ともに衰弱していた。相談を受けた宮司・竜晴と本草学者・泰山は、その不可解な出来事の真相を探り始める。
物語は、江戸時代の暮らしや草木の知識、信仰、そして人間関係を織り交ぜながら展開し、怪異のように見える出来事の裏に隠された真実へと迫っていく。
主な内容
- 小烏神社を舞台にした連作時代小説
- 大奥を巡る不可解な事件
- 呪いと噂の真相
- 本草学(薬草・植物)の知識
- 神社と人々の信仰
- 江戸時代の暮らしや文化
怪異そのものよりも、人間の心や社会背景を丁寧に描いている点が本シリーズの特徴である。
本書の魅力
本書の魅力は、時代小説・ミステリー・民俗要素が自然に融合していることである。
神社や薬草など和の文化を題材としながらも、怪異を単なる超常現象として描くのではなく、人々の心理や時代背景と結び付けて物語を展開している。そのため、歴史小説としても、伝奇小説としても楽しめる作品となっている。
シリーズを通して読むことで、主要人物たちの成長や関係性もより深く味わうことができる。