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おきつねさまのいうとおり/てにをは オキツネサマの云うとおり/てにをは

日本の音楽クリエイター・てにをはによる楽曲である。2014年10月22日に発売されたアルバム『モノノケミステリヰ』に収録されており、全18曲中8曲目に配置されている。作詞・作曲・編曲はいずれも、てにをは自身が担当している。 楽曲では、尻尾を持つ「キツネ」の少女を思わせる人物が中心となり、妖怪、化け物、昔遊び、童話的な言葉などが次々と登場する。かわいらしく軽快な雰囲気を持ちながら、「ばけもの」と呼ばれる存在の孤独や、成長途中の少女の感情も描かれている。

基本情報

タイトル:オキツネサマの云うとおり
アーティスト:てにをは
作詞:てにをは
作曲:てにをは
編曲:てにをは
収録アルバム:モノノケミステリヰ
発売日:2014年10月22日
収録順:8曲目
楽曲時間:3分50秒
国:日本

アルバム『モノノケミステリヰ』は2014年10月22日に発売された全18曲・約74分の作品で、「探偵、怪力乱神を語る。 ~寸劇・其の壱~」「オキツネサマの云うとおり」「イヌガミ邸神懸りミステリヰ」など、妖怪や怪異、ミステリーを思わせる楽曲が多数収録されている。

楽曲について

「オキツネサマの云うとおり」は、キツネを思わせる少女の視点を中心に、子どもの遊びや妖怪の世界を組み合わせた楽曲である。

歌詞では、千代紙、髪結い、じゃんけん、影踏み、お手玉など、昔ながらの子どもの遊びや日常を思わせる要素が数多く登場する。その一方で、妖怪や化け物といった非日常的な存在も混ざり合い、現実と怪異の境界が曖昧な世界が作られている。

主人公は明るく活発で、周囲を引っ張っていくような性格として描かれている。しかし、自分が周囲とは異なる存在であることや、大人になりたいという気持ちも抱えている。

そのため、表面的にはかわいらしい妖怪ソングでありながら、成長、仲間外れ、自分らしさといったテーマも含んだ作品となっている。

キツネとの関係

本作では、キツネがタイトルだけでなく主人公の性質そのものに組み込まれている。

歌詞には尻尾を振る描写があり、その際に日本でキツネの鳴き声として定着している「コンコン」を連想させる表現が使われる。また、自らを「キツネ」として語る場面もあり、主人公が狐に由来する存在であることが明確に示されている。

普通の野生動物としてのキツネではなく、人間の少女のような姿や感情を持つ、妖怪・妖狐的なキャラクターとして描かれている点が特徴である。

日本の伝承では、狐は人間へ化けたり、長く生きることで妖力を得たりする存在として語られてきた。本作も、そうした「人間と狐の境界にいる存在」を、かわいらしい少女像へ落とし込んだ作品と見ることができる。

「オキツネサマ」

タイトルでは単なる「キツネ」ではなく、「オキツネサマ」と敬称を付けた呼び方が使われている。

日本では狐を「お狐様」と呼ぶことがあり、特に稲荷信仰などにおいては、狐が神聖な存在として扱われることもある。

ただし、本作について稲荷信仰を直接題材にした楽曲であるという公式な説明は確認できない。そのため、「オキツネサマ」という表現について特定の神仏や稲荷信仰との関係を断定することは避けるべきである。

一方、「お狐様」という古風で少し神秘的な呼び方をタイトルに採用することで、普通の動物ではない特別な狐であることが印象付けられている。

「○○の云うとおり」

タイトルの「オキツネサマの云うとおり」は、子どもが選択をするときに使う「神様の言うとおり」を思わせる言葉遊びになっている。

歌詞でも、何かを選ぶ場面で「オキツネサマの云うとおり」という言葉が使われている。

本来なら「神様」に判断を委ねるところを「オキツネサマ」へ置き換えることで、この世界ではキツネが特別な立場にあることが表現されている。

子どもの遊びと妖怪の世界を重ねる、本作らしい言葉遊びの一つである。

キツネの鳴き声

楽曲では「コンコン」という、狐を象徴する日本独特の擬声語が重要な役割を持っている。

実際のキツネは甲高い声や吠えるような声など、多様な鳴き声を出す。しかし日本の童謡や昔話、児童向け作品では、「コンコン」がキツネの代表的な鳴き声として広く使用されてきた。

本作では、この「コンコン」を主人公の仕草やリズムの中へ組み込むことで、聴き手にキツネであることを強く印象付けている。

尻尾

歌詞には尻尾を振る様子が登場する。

尻尾は、創作においてキツネを識別する非常に重要な特徴である。

日本の妖狐伝承では、人間へ化けた狐が尻尾を隠しきれず、その正体がばれるという話も数多く存在する。

本作では、尻尾を隠して人間のふりをする恐ろしい妖狐としてではなく、尻尾を持つことが主人公の愛らしい個性として表現されている。

妖怪でありながら、その異形性を否定するのではなく、キャラクターの魅力として扱っている点が特徴である。

妖怪と「ばけもの」

本作には「妖怪」や「ばけもの」という言葉も登場する。

主人公は、周囲から普通の人間とは異なる存在として見られていることがうかがえる。

しかし楽曲では、「ばけもの」と呼ばれることを単純な恐怖として描くのではなく、仲間がいれば大丈夫だという肯定的な方向へ展開していく。

そのため、「妖怪であること」や「キツネであること」は、克服しなければならない欠点ではない。

普通とは違う自分をそのまま受け入れながら成長していくという、自己肯定的なテーマにもつながっている。

大人になりたいキツネ

楽曲には、主人公が大人になりたいと願う心情も描かれている。

じゃんけんや影踏み、お手玉など子どもの遊びが多く登場する一方で、主人公は少し背伸びをしながら大人に近づこうとしている。

しかし後には、無理に背伸びをする必要はないという方向へ心境が変化していく。

このため本作は、

キツネ
妖怪
少女
子どもから大人への成長

という複数の要素を一人のキャラクターへ重ねた楽曲となっている。

キツネという非人間的な存在を使いながら、描かれている感情そのものは非常に人間的である。

アルバム『モノノケミステリヰ』

「オキツネサマの云うとおり」が収録された『モノノケミステリヰ』は、2014年10月22日に発売されたてにをはのアルバムである。全18曲が収録されている。

タイトルにある「モノノケ」は妖怪や怪異を意味する言葉で、作品全体を通して妖怪、怪事件、探偵などを思わせる独特の世界観が展開される。

「オキツネサマの云うとおり」の直後には「イヌガミ邸神懸りミステリヰ」が配置されており、さらにアルバムには「キュウビ御霊会ミステリヰ ~転結~」など、九尾を想起させる名称の楽曲も含まれている。

そのため「オキツネサマの云うとおり」は単独の狐楽曲であるだけでなく、『モノノケミステリヰ』という妖怪世界を構成する一曲でもある。

てにをはについて

てにをはは、日本の音楽クリエイター、ボカロP、作詞家、作曲家である。

妖怪、怪異、ミステリー、文学などを取り入れた物語性の強い楽曲を数多く制作しており、「古書屋敷殺人事件」「能面島神隠し事件」など独特のタイトルを持つ作品でも知られている。歌ネットでは、「オキツネサマの云うとおり」を含む多数の楽曲で作詞・作曲・編曲を担当していることが確認できる。

「オキツネサマの云うとおり」では、狐、尻尾、コンコンという鳴き声、妖怪、子どもの遊びなどを組み合わせ、一匹の狐の少女を親しみやすいキャラクターとして描いている。

恐ろしい妖狐ではなく、恋や幸福に悩み、大人になろうとする一人の少女として狐を描いた、かわいらしさと怪異性が共存する狐関連楽曲である。

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