じぶんのあしをかじるきたきつねじゅういのげんやのーとから 自分の足をかじるキタキツネ ― 獣医の原野ノートから
獣医師・エッセイストの竹田津実によるノンフィクション作品である。1995年に朝日新聞社から刊行された。北海道で長年野生動物の診療に携わった著者が、キタキツネをはじめとする野生動物との出会いや命の営みを、獣医師ならではの視点で綴っている。
あらすじ・内容
本書は、北海道の大自然を舞台に、野生動物の診療や調査に携わる著者が体験した出来事をまとめたエッセイ集である。
タイトルにもなっている「自分の足をかじるキタキツネ」は、極限状態に置かれた野生動物の姿を象徴するエピソードであり、自然界の厳しさや生きることの過酷さを読者に伝えている。
キタキツネだけでなく、エゾシカやタンチョウなど北海道に暮らすさまざまな野生動物も登場し、獣医師として命と向き合う日々が描かれている。
主な内容
- 北海道の野生動物との出会い
- キタキツネの生態と行動
- 野生動物医療の現場
- 自然界の生と死
- 人間と野生動物の関係
- 北海道の自然環境
専門書というより、実際の体験に基づいた読みやすいエッセイとして構成されている。
本書の魅力
本書の魅力は、「野生動物を美化しない」視点にある。
かわいらしいイメージで語られることの多いキタキツネだが、本書では飢えや病気、事故、人間との軋轢など、野生で生きる現実が率直に描かれている。一方で、著者の温かいまなざしによって、野生動物への深い敬意も伝わってくる。
獣医師だからこそ見られる命の現場を知ることができる一冊である。