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ざ ふぉっくす, ざ くろう あんど ざ くっきー/みーうぃずあうとゆー The Fox, The Crow and The Cookie/mewithoutYou

「The Fox, The Crow and The Cookie」は、アメリカのロックバンドmewithoutYouが2009年に発表した楽曲である。 2009年5月19日発売の4作目のフルアルバム『It's All Crazy! It's All False! It's All a Dream! It's Alright』に収録され、アルバムでは2曲目に配置されている。mewithoutYou公式サイトでは、同アルバムをTooth & Nail Recordsから2009年5月19日に発売した作品として掲載している。 本曲は、狐、カラス、菓子売りの男を登場人物とした寓話形式の物語歌である。 空腹の狐が菓子売りの荷車から食べ物を盗もうと機会をうかがっていると、木の上から見ていたカラスが先にクッキーなどを奪う。そこで狐は、カラスを直接襲うのではなく、言葉巧みにおだてて獲物を落とさせようとする。 これはイソップ寓話として広く知られる「狐とカラス」を下敷きにした物語である。 mewithoutYou公式も、このアルバムの歌詞が「Aesop's Fables」の寓話やスーフィー神秘思想家Bawa Muhaiyaddeenの教えから直接着想を得ていると説明している。

基本情報

曲名:The Fox, The Crow and The Cookie

アーティスト:mewithoutYou

作詞・作曲:mewithoutYou

主な作詞:Aaron Weissとする資料あり

プロデュース:Daniel Smith、Brian McTear

ミックス:Brad Wood

マスタリング:Emily Lazar

収録アルバム:『It's All Crazy! It's All False! It's All a Dream! It's Alright』

発売日:2009年5月19日

アルバム曲順:2曲目

楽曲時間:3分30秒

レーベル:Tooth & Nail Records

国:アメリカ

mewithoutYou公式ではアルバムについて「All songs written and performed by mewithoutYou」と表記しているため、本記事では正式な作詞・作曲クレジットをmewithoutYou名義として扱う。

一方、Dorkの歌詞ページなどでは本曲をAaron Weiss作として掲載している。Aaron WeissはmewithoutYouのフロントマンで、バンドの歌詞を中心的に担ってきた人物である。

公式Bandcampでは「The Fox, the Crow, and the Cookie」を3分30秒の楽曲として掲載している。

楽曲について

「The Fox, The Crow and The Cookie」は、一つの短い童話をそのまま音楽にしたような物語性の強い楽曲である。

物語には、

狐
カラス
菓子売り

という三者が登場する。

まず町外れからやって来た菓子売りが、荷車を引きながら菓子を売っている。

その後ろを一匹の狐がついて歩く。

狐は菓子売りの持っているケーキやパイを盗む機会を狙っている。

さらに上空からその様子を見ているのが、空腹のカラスである。

菓子売りが狐を追い払おうとした瞬間、カラスが隙を突いてクッキーとチョコレートタルトを奪い、木の上へ逃げる。

ここで狐の役割が変化する。

狐はもはや菓子売りから直接食べ物を盗む必要がなくなった。

代わりに、すでに食べ物を持っているカラスから奪えばよいのである。

そこで狐は、カラスへ言葉巧みに近づいていく。

イソップ寓話「狐とカラス」との関係

本曲の基本構造は、イソップ寓話として知られる「狐とカラス」と非常によく似ている。

古典的な「狐とカラス」では、カラスが食べ物をくわえて木の枝にとまっている。

それを欲しがった狐は力ずくで奪おうとはせず、カラスの姿や声を褒め、おだてる。

カラスは自分の美声を披露しようとして口を開き、その瞬間に食べ物を落としてしまう。

狐は落ちた食べ物を手に入れる。

この寓話は一般に、

お世辞に弱いこと
虚栄心
甘い言葉を簡単に信用する危険

などを扱う教訓譚として知られる。

mewithoutYou版では、もともとカラスが持っている食べ物がチーズなどではなく、菓子売りから盗んだクッキーやタルトへ変更されている。

つまり、古典的な寓話をそのまま歌詞化したのではなく、新しい登場人物と出来事を加えた再構成になっている。

mewithoutYou公式はアルバム全体について、歌詞がイソップ寓話から直接引用・着想されていることを明記しているため、本曲についてイソップ寓話との関係を指摘する根拠は強い。

狐について

本曲の狐は、非常に典型的な「西洋寓話の狐」である。

歌詞でも狐は最初から“clever Fox”として描かれる。つまり、その主要な特徴は「賢さ」「抜け目のなさ」である。

狐は菓子売りの荷車から直接食べ物を盗もうとするが、先にカラスに取られてしまう。

しかし、そこで諦めることはない。

状況が変わったことを理解し、今度はカラスを相手に策略を使う。

この、

状況を観察する
相手の性格を読む
力ではなく言葉を使う
結果的に食べ物を手に入れようとする

という行動は、西洋寓話における典型的な狐像と一致している。

したがって本曲では、狐という動物の文化的イメージが非常に明確に利用されている。

狐とカラス

本曲では、狐とカラスのどちらも完全な善人ではない。

狐は最初から菓子を盗もうとしている。

一方、カラスも菓子売りが狐を追い払っている隙に菓子を盗む。

つまり、

狐=盗もうとして失敗した者
カラス=先に盗みに成功した者

という関係から物語が始まる。

ここが単純な「悪い狐が善良なカラスを騙す」物語ではない点である。

カラス自身も他人のものを盗んでいるため、狐とカラスはどちらも抜け目のない存在として描かれている。

そのうえで、最終的には狐の方がさらに一枚上手な策略を仕掛ける。

この構造によって、古典的な寓話がよりコミカルで複雑な物語へ発展している。

クッキーについて

タイトルにある「Cookie」は、狐やカラスと並ぶ第三の重要な要素である。

古典的な「狐とカラス」では、カラスが持っている食べ物はチーズとして語られることが多い。

mewithoutYou版では、それがクッキーをはじめとする菓子類へ変更されている。

歌詞には、ジンジャースパイスケーキ、ボイセンベリーパイ、ショートブレッドクッキー、ジャーマンチョコレートタルトなど、さまざまな菓子が登場する。

これによって古典的な寓話が、色彩豊かで少しシュールな現代の童話のような世界へ置き換えられている。

菓子売りという新しい登場人物も、この変更によって物語へ加えられた存在である。

キツネとの関係

本曲における狐との関係は非常に強い。

狐は、

タイトルに登場する
歌詞の主要登場人物である
菓子を盗もうとする
カラスの行動を観察する
状況に応じて策略を変更する
カラスへ近づく
言葉巧みに相手を操ろうとする

という中心的な役割を持っている。

したがって、

「タイトルに狐があるだけ」

ではない。

また、

「人間を狐にたとえただけ」

でもない。

明確に擬人化された狐そのものが登場する動物寓話である。

さらに、その狐像はイソップ寓話に由来する「賢く、狡猾で、言葉巧みな狐」という文化的イメージを強く受け継いでいる。

分類すると、

「狐が主要登場人物の楽曲」
「狐を擬人化した動物寓話」
「イソップ寓話の狐を再構成した楽曲」
「狡猾・機知という西洋の狐像を扱った楽曲」

となる。

実在する狐との違い

本曲の狐は、実在する狐の生態を描いたものではない。

現実の狐がカラスへ話しかけたり、褒め言葉を使って食べ物を落とさせたりすることはない。

この狐はあくまで寓話上のキャラクターである。

ただし、

食べ物を探す
人間の生活圏へ近づく
隙を狙って食料を得ようとする

といった行動自体は、現実の狐の採食行動を連想させる部分もある。

それでも作品の中心にあるのは動物行動学ではなく、「狡猾な狐」という文化的キャラクターである。

そのため、

「実在する狐の生態を扱った歌」

ではなく、

「狐を擬人化した寓話の歌」

として分類するべきである。

妖狐との違い

本曲の狐は人間のように話し、策略を考える。

しかし、それを理由に妖狐と分類することはできない。

狐には、

変身能力
妖術
超自然的能力
長寿による霊力

などは描かれていない。

また、

九尾の狐
玉藻前
妲己
稲荷信仰
白狐
狐神

など、東アジアや日本の狐伝承とも関係しない。

この狐が人間のように話すのは、イソップ寓話をはじめとする動物寓話で一般的な擬人化表現によるものである。

したがって、本曲の狐は、

「妖狐」

ではなく、

「寓話上の擬人化された狐」

である。

西洋寓話における狐

西洋の寓話では、狐は非常に頻繁に登場する動物である。

その代表的な性格が、

頭が良い
抜け目がない
言葉巧み
相手を騙す
機転が利く

といったものである。

「狐とカラス」は、その典型的な例の一つである。

狐は力でカラスから食べ物を奪おうとはしない。

代わりに、カラスの虚栄心を利用して目的を達成する。

「The Fox, The Crow and The Cookie」でも、この文化的な狐像がほぼそのまま使われている。

そのため本曲は、単に「狐という動物が登場する歌」というだけでなく、

「西洋文化における典型的な狐像を音楽として再話した作品」

としても重要である。

アルバムについて

「The Fox, The Crow and The Cookie」は、2009年のアルバム『It's All Crazy! It's All False! It's All a Dream! It's Alright』に収録されている。

公式サイトで確認できる曲順は以下の通りである。

  1. Every Thought a Thought of You
  2. The Fox, the Crow and the Cookie
  3. The Angel of Death Came to David's Room
  4. Goodbye, I!
  5. A Stick, a Carrot & String
  6. Bullet to Binary (pt. Two)
  7. Timothy Hay
  8. Fig With a Bellyache
  9. Cattail Down
  10. King Beetle on the Coconut Estate
  11. Allah, Allah, Allah

アルバム全体の演奏時間は約44分49秒で、Daniel SmithとBrian McTearがプロデュースを担当した。

公式商品ページでは、このアルバムの歌詞について、

イソップ寓話
Bawa Muhaiyaddeenの教え

から直接着想を得ていると説明している。

そのため、本曲だけが突然童話調になっているわけではなく、アルバム全体が寓話、宗教、哲学などを取り入れた作品として構築されている。

Bawa Muhaiyaddeenとの関係

アルバム全体では、スーフィー神秘思想家Bawa Muhaiyaddeenの教えも大きな着想源となっている。mewithoutYou公式も、イソップ寓話と並んでBawa Muhaiyaddeenの教えを明記している。

そのためアルバムは、単なる「動物寓話集」ではない。

寓話を通じて、

自己
欲望
愛
死
赦し
宗教
人間の思い込み

などを考える構成となっている。

「The Fox, The Crow and The Cookie」も表面的にはコミカルな狐とカラスの物語だが、イソップ寓話が本来そうであるように、人間の欲望や虚栄心を動物に置き換えて描く作品として読むことができる。

ただし、本曲の狐やカラスを特定の宗教的存在へ直接対応させる公式説明は確認できない。

したがって、

「狐=特定の宗教的象徴」

などと断定するのは避けるべきである。

mewithoutYouについて

mewithoutYouは、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアを拠点に活動したロックバンドである。

『It's All Crazy! It's All False! It's All a Dream! It's Alright』当時の主要メンバーとして公式サイトでは、

Aaron Weiss
Michael Weiss
Greg Jehanian
Rickie Mazzotta

が紹介されている。

初期にはポストハードコア的な激しいサウンドとAaron Weissの語り・叫びに近いボーカルで知られていたが、本作ではフォーク、アコースティック、オーケストラ的な要素を大きく取り入れた。

公式サイトも、本作では以前の作品に見られた激しさから「gentle wonder」へ変化し、Aaron Weissがそれまでの歌い叫ぶようなスタイルから本格的に歌唱へ移行したと説明している。

「The Fox, The Crow and The Cookie」の童話を読み聞かせるような性格は、そうしたアルバム全体の音楽的変化とも一致している。

ライブ演奏について

本曲はライブでも演奏されている。

mewithoutYou公式が販売するコンサート映像『[A→B] Live』では、ボーナス・アンコールセットの2曲目として「The Fox, The Crow, and the Cookie (Acoustic)」が収録されている。

つまり、2009年のスタジオ作品だけにとどまらず、その後もアコースティック形式で演奏されるレパートリーとして残っていたことが分かる。

狐関連楽曲としての位置付け

「The Fox, The Crow and The Cookie」は、「ふぉくすなっ♪」において狐関連性の非常に高い楽曲として扱える。

狐は、

タイトルの主要語である
歌詞の中心人物である
実際に物語を動かす
カラスを策略にはめようとする
「賢い狐」という文化的性格を持つ
イソップ寓話に由来する

という複数の点で作品と深く結び付いている。

分類するなら、

「狐を主人公級の登場人物とした楽曲」
「狐を擬人化した動物寓話」
「イソップ寓話『狐とカラス』を再構成した楽曲」
「西洋における狡猾・機知に富む狐像を描いた楽曲」

となる。

特に本曲は、狐の「狡猾」というイメージを後付けで読み込む必要がない。

歌詞そのものが狐を“clever”と描き、相手を言葉で操る古典的な狐の役割を明確に与えている。

一方で、この狐は妖狐でも、実在の狐の生態を忠実に描いた動物でもない。

西洋の寓話文化の中で何世紀にもわたって描かれてきた「言葉と知恵によって目的を達成する狐」を、クッキーやケーキ、菓子売りといった新しい要素を加えて現代的に再話した作品である。

「狐という動物そのもの」と「狐が文化の中でどのような性格を与えられてきたか」の両方を扱えるという意味で、「ふぉくすなっ♪」の狐関連楽曲の中でも、特に文化・寓話との関係が強い一曲と位置付けられる。

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