ばけぎつねかぐら/えるむなぎ・いーさー 化狐神楽/エルム凪・Ether

ファンタジー系同人音楽サークル・Etherによる和風民族楽曲である。ボーカルと作詞をエルム凪、作曲・編曲をEtherRyoが担当している。現在の配信ではエルム凪名義でも公開されている。 もともとは2016年4月24日発売のミニアルバム『Edel clyas mst 夢幻ノ導』に収録された楽曲で、その後2020年10月25日発売の和風楽曲集『あやかし きつね』にも再収録された。 楽曲では、人間の少女を赤い鳥居の奥へ誘う狐の姿が描かれる。人間に真の姿を見せず、夜の世界へ誘う妖狐的な存在を中心にした、幻想的かつ物悲しい物語性を持つ作品である。

基本情報

タイトル:化狐神楽
アーティスト:エルム凪/Ether
作詞:エルム凪
作曲:EtherRyo
編曲:EtherRyo
初出作品:Edel clyas mst 夢幻ノ導
初出日:2016年4月24日
再収録作品:あやかし きつね
再収録版リリース日:2020年10月25日
『あやかし きつね』収録順:1曲目
楽曲時間:約3分58秒
国:日本

『Edel clyas mst 夢幻ノ導』は「変わらぬ契」「化狐神楽」「氷雪の少女」の3曲を収録した作品で、ファンタジー、和風、3拍子バラードという異なる方向性の楽曲で構成されている。

2020年の『あやかし きつね』は、「化狐神楽」「現世ト幽世」「妖大戦乱」「待つ宵」の全4曲を収録した、和風民族楽曲のみで構成された作品である。

楽曲について

「化狐神楽」は、夜の世界へ少女を誘う狐を描いた物語性の強い楽曲である。

物語の狐は、孤独や辛い思いを忘れさせるかのように少女へ語りかけ、夜中に一緒に踊ることを誘う。そして赤い鳥居をくぐり、さらに奥深い場所へと少女を導いていく。

しかし、その狐は自らの本当の姿を見せない。

一見すると優しく少女を迎える存在でありながら、どこへ連れて行こうとしているのか、その目的ははっきりと示されない。赤い瞳や白い顔、夜桜、時雨、赤い鳥居など、日本の怪異譚を思わせる情景が重なり、幻想的でありながら不穏さも感じさせる世界が作られている。

また、孤独や限りある命、永遠への願いといった要素も描かれており、単なる妖怪譚ではなく、誰かを想い続ける切なさを含んだ物語となっている。

キツネとの関係

本作では、狐そのものが物語の中心人物として登場する。

描かれている狐は普通の野生動物ではなく、人間へ語りかけ、少女を異界へ誘い、自分の真の姿を隠している超自然的な存在である。日本の伝承で語られてきた「人間に化ける狐」「人を惑わせる狐」と非常に近い性質を持っている。

特に「真の姿を見せない狐」という設定は、狐の変化能力を強く連想させる。

日本の昔話や伝承では、狐は人間、とりわけ美しい女性などへ姿を変える存在として数多く登場する。「化狐神楽」という題名に含まれる「化狐」という言葉も、「化ける狐」という作品世界を端的に表していると考えられる。

また、赤い鳥居が登場することも特徴的である。

狐は日本において稲荷信仰との結び付きが非常に強く、鳥居と狐という組み合わせは神社や稲荷を想起させる。本作では鳥居をくぐった先に狐の世界が広がるような描写となっており、人間の世界から異界へ入る境界として機能している。

「神楽」と狐

タイトルに含まれる「神楽」は、本来、神に奉納する歌や舞を指す言葉である。

本作では狐が少女へ踊ることを誘っており、「神楽」という言葉と「踊り」が作品の中で重なっている。丑三つ時、赤い鳥居、狐、舞という要素が組み合わされることで、人間には見ることのできない狐たちの祭祀や異界の宴を思わせる世界観が形成されている。

公式のYouTube投稿でも本作は「オリジナル和風民族曲」として紹介されており、和風の旋律や民族音楽的な要素を通して、この妖狐の世界が音楽的にも表現されている。

『あやかし きつね』について

2020年に配信された『あやかし きつね』は、タイトルそのものに「きつね」を掲げた全4曲のEPである。Apple Musicでは2020年10月25日発売、全4曲・約18分の作品として配信されている。

収録曲は以下の4曲である。

  1. 化狐神楽
  2. 現世ト幽世
  3. 妖大戦乱
  4. 待つ宵

作品全体が和風民族楽曲で統一されており、「化狐神楽」はその冒頭を飾る楽曲となっている。

Etherについて

Etherは、作曲家EtherRyoとボーカリストのエルム凪によるファンタジー系同人音楽サークルである。ファンタジー音楽や民族音楽、造語コーラスなどを取り入れた作品を制作している。

「化狐神楽」では、EtherRyoによる和風民族音楽と、エルム凪による妖狐を題材とした歌詞と歌唱が組み合わされている。

狐、人間への変化、赤い鳥居、異界への誘い、神楽という複数の日本的モチーフが一つの物語として結び付けられており、妖狐を正面から扱った狐関連楽曲である。

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