きつねこうでんしょうぶんがくひょうしょう 「狐」考 ―伝承・文学・表象―
藤本莉奈による2020年発表の論文である。フェリス女学院大学の紀要『玉藻』第54号に掲載され、日本における狐のイメージが伝承・文学・芸術表現の中でどのように形成・変化してきたかを考察している。
論文の概要
本論文では、日本人が抱く「狐」のイメージが、単なる野生動物ではなく、長い歴史の中で伝承や文学、絵画など多様な表現を通して形づくられてきたことを論じている。
特に、
民間伝承に登場する狐
古典文学に描かれる狐
芸術作品に表現された狐
を比較しながら、「狐」という存在が時代ごとにどのような意味を持ってきたのかを考察している。
主な研究内容
論文では、主に次のようなテーマが扱われている。
1. 民間伝承における狐
日本各地には、
人を化かす狐
狐火
狐憑き
狐の嫁入り
など、多くの狐伝承が残されている。
これらは単なる昔話ではなく、人々の自然観や信仰、社会観を反映した文化として分析されている。
2. 文学作品の狐
古典文学では、狐は人間へ変身する存在として描かれることが多い。
例えば、
狐女房
玉藻前
葛の葉伝説
などでは、人間と狐との境界が曖昧な存在として表現され、日本文学に大きな影響を与えている。
3. 表象(イメージ)の変化
論文では「表象(ひょうしょう)」という観点から、時代によって狐のイメージがどのように変化したかを考察している。
例えば、
神の使い
妖怪
魔性の女性
家族を持つ存在
知恵者
など、作品によってさまざまな姿が描かれていることを紹介している。
この論文の見どころ
この論文の特徴は、「本物のキツネ」を扱う生物学ではなく、「人々が思い描いてきた狐」を研究対象としている点である。
そのため、
民俗学
国文学
芸術学
文化研究
といった複数の視点から狐文化を理解することができる。
狐を文化的存在として知りたい人にとって、入門資料の一つとなる論文である。
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#研究
#日本
フェリス女学院大学リポジトリ
https://ferris.repo.nii.ac.jp/records/2509
ciNii
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050006131268870528