きつねとほし キツネと星
コラリー・ビックフォード=スミスによる絵本である。2015年にイギリスで刊行され、日本では2017年にスミス幸子の翻訳により出版された。美しい装丁と繊細なイラストが高く評価され、世界各国で翻訳されているほか、日本では第10回ようちえん絵本大賞を受賞している。物語は「喪失」と「成長」、そして「新たな一歩」をテーマとしている。
あらすじ
深い森に、一匹の臆病なキツネが暮らしていた。
キツネには、夜空に輝くたった一つの星という大切な友達がいた。星はいつもキツネを導き、暗い森でも進むべき道を照らしてくれる存在だった。
しかし、ある日突然、星は姿を消してしまう。
悲しみに暮れたキツネは、それでも星を探そうと勇気を振り絞って旅へ出る。見知らぬ景色やさまざまな出来事を経験する中で、キツネは少しずつ成長し、新しい世界と向き合っていく。
狐との関わり
本作の主人公は名前のない一匹のキツネである。
キツネは知恵や狡猾さの象徴ではなく、不安や孤独を抱えながらも前へ進もうとする存在として描かれている。
その姿は、読者自身の心情を映し出す象徴的なキャラクターとなっている。
主な登場人物
キツネ
主人公。
少し臆病だが、星を探す旅を通じて成長していく。
星
キツネにとって唯一無二の友達。
直接多くを語る存在ではないが、物語全体を象徴する重要な存在となっている。
作品の魅力
本作最大の魅力は、美術作品のような美しいデザインと、短い文章で深い感情を描く物語にある。
見どころとして、
芸術作品のような繊細なイラスト
布貼り装丁による美しい装本
「喪失」と「再生」を描く物語
子どもだけでなく大人も楽しめる内容
読むたびに新しい解釈が生まれるストーリー
などが挙げられる。
キツネ好きにおすすめのポイント
本作では、キツネの生態や伝承ではなく、「心の成長」を表現する主人公としてキツネが描かれている。
感情表現が豊かなため、キツネをモチーフにした作品が好きな人はもちろん、美しいイラストを楽しみたい人にもおすすめである。
受賞歴
日本語版は第10回ようちえん絵本大賞を受賞している。
また、原書は美しい装丁やデザインが高く評価され、世界各国で翻訳・出版されている。
なぜ主人公は「キツネ」なのか?
ヨーロッパではキツネは知恵や狡猾さの象徴として描かれることが多い一方、本作では「弱さ」や「孤独」を抱えた存在として表現されている。
読者はキツネに自分自身を重ね合わせながら、「大切なものを失っても前へ進む勇気」という普遍的なテーマを感じ取ることができる。