ぶらんふぉーどぎつね ブランフォードギツネ

大きな耳と長い尾を持ち、乾燥した山地の岩場を軽やかに登る小型のキツネ。

概要

ブランフォードギツネは、食肉目イヌ科キツネ属に分類される哺乳類である。学名は Vulpes cana。中東から南西アジアにかけて分布し、険しい斜面や峡谷など、岩の多い乾燥地で暮らしている。

英語では「Blanford's fox」のほか、「Afghan fox」とも呼ばれる。分布は連続しておらず、各地の山地に点在するように生息している。IUCNイヌ科専門家グループ「Blanford's fox」

基本情報

項目

内容

和名

ブランフォードギツネ

学名

Vulpes cana

英名

Blanford's fox、Afghan fox

分類

食肉目イヌ科キツネ属

頭胴長

約43cmという平均値の報告がある

尾長

約32cmという平均値の報告がある

主な生息環境

乾燥した山地、岩場、峡谷

活動時間

夜間

主な食べ物

昆虫、果実

保全状況

低懸念(LC)

体の大きさはAnimal Diversity Web、保全状況はIUCNイヌ科専門家グループの掲載情報に基づく。

姿・特徴

体に対して大きな耳と、長くふさふさした尾が目立つ。鼻先は細く、灰色や褐色を基調とした毛並みに黒い毛が交じる。背中には暗い筋があり、尾の先端は通常暗色だが、白い個体も知られている。

長い尾は、岩を登ったり跳び移ったりするときに、体のバランスを保つ役割を果たす。その身のこなしは、ネコを思わせると表現されることもある。Animal Diversity Web「形態・行動」

分布と生息環境

イラン、パキスタン、トルクメニスタンのほか、イスラエル、ヨルダン、オマーン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イエメン、エジプトのシナイ半島などで記録されている。

主な生活場所は、急な岩の斜面や崖、峡谷である。イスラエルでの調査では、乾いた川床を頻繁に利用していた。こうした場所は、餌を探す場所として重要と考えられている。

山地に暮らす一方、死海周辺の海面より低い地域にも生息する。標高だけでなく、岩場や採食場所がどのように配置されているかが、生息環境を理解する手がかりとなる。IUCNイヌ科専門家グループ「分布・生息環境」

夜の岩場での暮らし

夜行性で、昼間は岩場の隠れ場所などで休む。

イスラエルで行われた追跡調査では、日没と活動開始の時刻に強い関係が見られた。活動を始めると昼間の休息場所から離れ、夜の後半になると、その周辺へ戻る傾向が確認されている。

夜の前半に、比較的決まった経路を移動する個体もいた。つがいの個体同士が移動する時間をずらすことは、採食中に互いに干渉する機会を減らす仕組みである可能性が指摘されている。Geffen・Macdonald「活動と移動パターンの研究」

食べ物

雑食性で、特に昆虫と果実を多く食べる。昆虫では甲虫、バッタ、アリ、シロアリなどを利用する。植物質の食べ物には、野生の果実やナツメヤシの実などが含まれる。

餌探しは単独で行うことが多く、つがいでも別々に採食する。水分の多くを食べ物から得ていると考えられ、飲水への依存が小さいことも、乾燥地での暮らしを支える特徴である。Animal Diversity Web「食性」

繁殖と子育て

基本的につがいを形成し、年1回繁殖する。妊娠期間は約50〜60日で、通常1〜3頭の子どもを産む。

子どもは巣で育ち、成長するにつれて自分で餌を探すようになる。オスが幼獣の毛づくろいをする行動も観察されている。Animal Diversity Web「繁殖」

保全状況

IUCNレッドリストでは低懸念(LC)に分類されている。一部の地域では比較的普通に見られ、分布域全体で絶滅危惧の基準に達するような減少は確認されていない。

参考リンク

https://www.canids.org/species/view/PREKON160201