きゅうろくさん おもて てんこ 963 OMOTE 天狐
福島県郡山市発のウイスキーブランド「963」が展開した限定ブレンデッドモルトウイスキーである。 日本の伝統芸能で使われる「面」をテーマにした「OMOTE」シリーズの第1弾として登場し、狐を表現した「天狐」の面がラベルデザインに採用されている。 オロロソシェリーカスクとバーボンバレルで12~14年熟成したモルト原酒を使用し、バニラやキャラメルを思わせる甘い香り、樽由来の香ばしさ、長い余韻を特徴とする。
商品名:963 OMOTE 天狐
種類:ブレンデッドモルトウイスキー
ブランド:963 WHISKY
企画・管理:福島県南酒販株式会社
製造元:笹の川酒造株式会社
生産地:福島県郡山市
容量:700ml
アルコール度数:56%
使用樽:オロロソシェリーカスク、バーボンバレル
使用原酒の熟成年数:12~14年
限定本数:608本
狐との関わり
本商品の狐との関係は非常に明確で、「天狐」という狐の面そのものが商品テーマとなっている。
販売資料では天狐について、
「千里を見通すといわれており、神様の様な存在の狐」
と説明されている。
さらに「963 OMOTE 天狐」は、単に商品名へ「狐」の字を入れただけではない。
シリーズ自体が能面をテーマとしており、「天狐」の面をラベルへ大きく配置しているため、
・商品名が天狐
・天狐という狐の存在をテーマとしている
・狐の面をラベルに使用している
・日本の伝統芸能である能・神楽などの面文化と結び付いている
という複数の狐要素を持つ。
「ふぉくすなっ♪」で扱う狐関連酒の中でも、狐面文化を真正面から商品デザインへ取り入れた珍しいウイスキーである。
OMOTEシリーズ
「OMOTE」は、日本の伝統文化である「面」をテーマにしたウイスキーシリーズである。
シリーズ名の「OMOTE」は、能面などの面を着けることを「おもてをかける」と表現することに由来する。
面を身につけることで役へと変身する、その神秘的な性質をテーマとして、ミステリアスな面をラベルへ配置している。
その記念すべき第1弾として選ばれたのが「天狐」である。
つまり本商品では、
ウイスキー
+
日本の面文化
+
変身
+
狐
という特徴的な組み合わせが採用されている。
天狐とは
「天狐」は、日本の狐伝承や狐に関係する芸能の中に登場する存在である。
963 OMOTEの商品説明では、「千里を見通す」とされる、神のような存在の狐として紹介されている。
狐は日本の伝承で、長く生きたり霊力を身につけたりすることで、普通の動物を超えた妖狐・霊狐になると考えられることがある。
天狐もそうした高位の狐として語られる名称の一つであり、本商品では神秘的で超越的な狐のイメージがウイスキーの世界観へ取り入れられている。
ただし、「天狐」という言葉については地域・文献・芸能によって意味や位置付けが異なるため、特定の妖狐の格付け体系を唯一の正解として紹介するのは避けた方がよい。
本商品については、メーカー側の説明である「千里を見通す、神様のような存在の狐」を基本とするのが適切である。
天狐の面
「963 OMOTE 天狐」のラベルには、白を基調とした狐の面が大きく描かれている。
狐面には細く鋭い目や長く伸びた鼻など、狐を人ならざる存在として表現した独特の造形が見られる。
OMOTEシリーズでは「面をかけることで役に変身する」という日本の面文化に着目しているため、狐が古くから持つ「化ける」「姿を変える」というイメージとも相性がよい。
ただし、「狐が化けるからOMOTEシリーズ第1弾に天狐を選んだ」とする明確な公式説明までは確認できない。
したがって、両者の親和性は紹介できるものの、選定理由として断定するのは避けたい。
963 WHISKY
「963」は福島県郡山市を拠点とするウイスキーブランドである。
ブランド名の「963」は、郡山市で使用される郵便番号「963」に由来している。
963ウイスキーの商品企画や原酒の買い付け、ブレンドレシピなどを管理しているのは福島県南酒販株式会社で、製造元として笹の川酒造がボトリングを担当している。
つまり、
福島県南酒販
→ 原酒・レシピ・商品全体を管理
笹の川酒造
→ 製造・ボトリング
という形で963ブランドが展開されている。
12~14年熟成のモルト原酒
963 OMOTE 天狐には、12~14年間熟成されたモルト原酒が使用されている。
使用される樽は、
・オロロソシェリーカスク
・バーボンバレル
である。
シェリー樽由来の甘さや渋味と、バーボン樽から生まれるバニラ系の風味を組み合わせ、複雑で甘やかなブレンデッドモルトに仕上げられている。
アルコール度数は56%と高めで、濃厚な香味を楽しむタイプのウイスキーである。
香りと味わい
公式テイスティングノートとして紹介されている香味には、
・バニラ
・キャラメル
・キャンディー
・花の蜜
・しっかりとした樽香
などが挙げられている。
口に含むとバニラや砂糖をまぶしたキャンディーを思わせる甘味が強く感じられ、滑らかな口当たりとともに甘味・苦味・渋味がバランスよく現れる。
余韻にはしっかりした甘味とチャコール感が残り、長く続くことが特徴である。
販売資料でも、甘く華やかな香りと樽香、リッチでスムースな口当たり、しっかりしたボディ感、甘味とタンニンのバランスが特徴として紹介されている。
おすすめの飲み方
ストレートで飲むことで、濃厚な甘味と長い余韻をそのまま楽しむことができる。
また、少量の水を加えることで香りがさらに開き、甘さや華やかさが増す一方、タンニンによる渋味が穏やかになると紹介されている。
56%という高いアルコール度数であるため、ストレートだけでなく加水による変化を比べるのも本商品の楽しみ方の一つである。
608本限定
963 OMOTE 天狐は、第1弾として608本限定で販売されたことが確認できる。
そのため、963の通常ラインとは異なる限定ウイスキーとして位置付けられる。
現在確認できる販売ページでも在庫なしとなっているものがあり、発売時の定価として13,200円(税込)で掲載されていた例がある。
すでに限定本数での販売を終えた商品であるため、現在は通常の商品として安定して購入できる銘柄ではない。
「時空を超えて愉しむ」ウイスキー
販売時には、過去から現在、そして未来へ思いを馳せながら、時間をかけて楽しむウイスキーとして紹介されていた。
長期間熟成されたモルト原酒と、「千里を見通す」とされる天狐を組み合わせることで、時間や空間を超越するような幻想的な世界観が作られている。
単なる狐ラベルではなく、
天狐
面
変身
長期熟成
時間
といった複数の要素が重なっている点が、このウイスキーの面白さである。
豆知識
「963」は「きゅうろくさん」と読み、狐に由来する数字ではない。
ブランドの拠点である福島県郡山市の郵便番号「963」がそのまま名称になっている。
一方、「OMOTE 天狐」では狐との関係が非常に明確であり、商品名だけでなく天狐の面がラベルの主役となっている。
これまで紹介してきた狐関連ウイスキーには、キタキツネそのものを陶器ボトルにした「ニッカウヰスキー キタキツネの親子」のような商品もある。
それに対して963 OMOTE 天狐は、野生動物としての狐ではなく、
「日本の伝承・芸能・面文化に登場する神秘的な狐」
を表現したウイスキーである。
狐面という日本文化を酒のデザインへ取り入れた商品として、「ふぉくすなっ♪」では特に文化面からも紹介価値の高い一本である。
関連項目
- 963 WHISKY
- OMOTE
- 天狐
- 狐面
- 能面
- 笹の川酒造
- 福島県南酒販
- 郡山市
- ブレンデッドモルトウイスキー
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