きつね くろぎつね 㐂津禰 黒狐

島根県津和野町の華泉酒造が手掛ける純米大吟醸酒である。 華泉酒造が展開する「㐂津禰」シリーズの一つで、白狐・紅狐などの中でも最上位に位置付けられる商品として販売されている。 津和野産の酒米「佐香錦」を40%まで精米し、仕込み水には津和野の秀峰・青野山の伏流水を使用している。原料と水の双方に津和野産を用いた、土地の個性を強く意識した純米大吟醸である。

生産者:華泉酒造
生産地:島根県津和野町
種類:純米大吟醸酒
使用米:津和野産 佐香錦
精米歩合:40%
容量:720ml、1.8L

狐との関わり

本商品の最大の狐要素は、ブランド名である「㐂津禰」と商品名の「黒狐」である。

華泉酒造では、狐について、稲荷神社の祭神である宇迦之御魂神に仕える存在として古くから崇められてきたことを公式の商品説明で紹介している。

華泉酒造がある津和野町には、日本五大稲荷の一つとして知られる太皷谷稲成神社があり、土地そのものが稲荷信仰と深いつながりを持つ。

そうした津和野の狐文化を背景として誕生したのが「㐂津禰」シリーズである。

黒狐も単に黒い狐をラベルへ描いた酒ではなく、

・「㐂津禰」という狐そのものを表すブランド名
・「黒狐」という商品名
・稲荷信仰と狐との関係
・太皷谷稲成神社のある津和野という土地

が組み合わされた日本酒となっている。

「㐂津禰」という名前

「㐂津禰」は「きつね」と読む。

一般的な「狐」という漢字を使わず、独自の表記が採用されているのが大きな特徴である。

華泉酒造では、この「㐂津禰」という文字に、

「たくさんの憙びと、当蔵二百九十余年の歴史に華を添える」

という思いを込めている。

また、

「キツネに化かされたような美味しいお酒」

「華泉の新たな旅立ちのお酒」

としてシリーズを紹介している。

つまり「狐」という題材だけでなく、「化かす狐」という日本の伝承的なイメージまで商品表現に取り入れている。

黒狐の特徴

黒狐は、華泉酒造の純米酒シリーズの中で最高ランクに位置付けられる純米大吟醸である。

津和野産の佐香錦を40%まで磨いて使用しており、仕込み水にも青野山の伏流水を採用している。

香りは華やかな吟醸香を持ち、味わいにはフルーティーさだけでなく、米由来のふくよかな旨味も感じられる。

一方で後味はすっきりしており、料理の味を邪魔しにくい食中酒としても楽しめる。

華泉酒造では、10度以下まで冷やして飲むことを推奨している。

津和野産の佐香錦

黒狐に使用される「佐香錦」は、島根県で生まれた酒米である。

本商品では、その佐香錦を津和野町で栽培し、精米歩合40%まで磨いて使用している。

さらに仕込み水も津和野の青野山から得られる伏流水であるため、華泉酒造は黒狐を「全てが津和野産の純米大吟醸」と紹介している。

狐文化だけでなく、酒そのものにも津和野という土地を強く反映している点が特徴である。

㐂津禰シリーズ

華泉酒造では黒狐以外にも、複数の狐を冠した日本酒を展開している。

主な商品には、

・黒狐 純米大吟醸
・白狐 純米吟醸
・紅狐 純米酒
・金狐 純米ひやおろし

がある。

黒・白・紅・金という異なる狐の名前によって、酒のタイプや季節商品を分けているのが特徴である。

また、黒狐・白狐・紅狐をまとめた3本セットも販売されており、それぞれ異なる酒質を飲み比べることができる。

白狐・紅狐との違い

㐂津禰シリーズでは、狐の色ごとに酒の格やタイプが異なる。

黒狐は純米大吟醸であり、シリーズの上位商品。

白狐は純米吟醸、紅狐は純米酒として展開されている。

そのため、

黒狐
↓
白狐
↓
紅狐

と、精米や酒質の違いを狐の色によって視覚的にも分かりやすく表現している。

「ふぉくすなっ♪」では、それぞれを個別記事にしつつ、「㐂津禰シリーズ」としてまとめて関連付けると整理しやすい。

太皷谷稲成神社と津和野

華泉酒造がある津和野町には、太皷谷稲成神社が鎮座している。

華泉酒造も黒狐の商品説明の冒頭で、この太皷谷稲成神社を「日本五大稲荷の一つ」として紹介し、そのうえで稲荷神と狐との関係を説明している。

そのため㐂津禰シリーズは、単なる狐キャラクターの商品というより、

「稲荷信仰が息づく津和野で造られる狐の日本酒」

という地域文化まで含めた商品として見ることができる。

豆知識

黒狐は、㐂津禰シリーズの発売後に人気を集め、一時は秋頃までに完売したこともあったと華泉酒造が紹介している。

また、酒の名称に使われる「黒狐」は、実在するキツネの毛色としても存在する。

アカギツネには毛色の変異があり、黒色や銀黒色の個体は一般に「ギンギツネ」などと呼ばれる。ただし、華泉酒造の「黒狐」という商品名が特定の黒色個体やギンギツネを直接モチーフとしているという公式説明は確認できない。

そのため、図鑑では「黒狐=ギンギツネ」と結び付けるのではなく、㐂津禰シリーズにおける商品名として扱うのが適切である。

商品名、稲荷文化、津和野という地域性、狐を用いたシリーズ展開まで一貫していることから、「㐂津禰 黒狐」は狐との関係が非常に強い日本酒の一つである。

関連項目

  • 華泉酒造
  • 㐂津禰
  • 㐂津禰 白狐
  • 㐂津禰 紅狐
  • 㐂津禰 金狐
  • 太皷谷稲成神社
  • 稲荷信仰
  • 津和野
  • 佐香錦
  • 純米大吟醸

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