じんこ 人狐
人狐(ひとぎつね/にんこ/じんこ)とは、中国地方(主に島根県・鳥取県など)に伝わる憑き物(つきもの)の一種である。特定の家筋で飼われている特殊な狐で、これに憑かれると病気になると信じられていた。
発祥と伝承
江戸時代中頃の享保年間(1710年代)頃から、山陰地方の出雲国や伯耆国(現在の島根県・鳥取県)で発生したと言われている。農民同士の確執や制裁がきっかけで、特定の家を「人狐持ち(狐持ち)」と噂する風習が定着した。
狐持ちの家
犬神憑きなどと異なり、人狐を操るとされる家は士族や富裕な農家に多いとされていた。人狐持ちの家は、狐の力で富み栄えると言われる一方で、恐れられ、地域社会で結婚を避けられたり絶縁されたりする歴史があった。
憑かれた際の症状
人狐が憑くと狐のような形相になったり、体調を崩して死に至ることもあると信じられており、祈祷師などを呼んで狐を追い払う儀礼が行われていた。