さばくのきつね(でざーとふぉっくす) 砂漠の狐(Desert Fox)
2人用のウォーシミュレーションボードゲーム
概要
1981年にエポック社より発売された2人用ウォーシミュレーションボードゲームである。
ゲームデザインは、日本のウォーゲーム界を代表するデザイナー・鈴木銀一郎氏が担当した。
第二次世界大戦の北アフリカ戦線を舞台とし、「砂漠の狐」の異名で知られるドイツ軍のエルヴィン・ロンメル将軍と、イギリス第8軍との戦いを再現している。
本作はエポック社の「ワールド・ウォーゲーム・シリーズ」の一作として発売され、国産ウォーゲームの名作の一つに数えられている。
比較的シンプルなルールながら、ダミーユニットを活用した情報戦や機動戦が巧みに再現されており、40年以上経った現在でも高く評価されている。
後年には国際通信社の『コマンドマガジン』第158号付録として復刻版も発売された。
販売元
・エポック社(初版)
・国際通信社(復刻版・コマンドマガジン第158号付録)
制作者
ゲームデザイン
・鈴木 銀一郎
アートワーク
・渋井 和男
発売年
1981年
(復刻版:コマンドマガジン第158号付録)
プレイ人数
2人
プレイ時間目安
約120~180分
ゲームストーリー
1941年、第二次世界大戦の北アフリカ戦線。
ドイツ・アフリカ軍団を率いるエルヴィン・ロンメル将軍は、その卓越した機動力と大胆な作戦によって連合軍を翻弄し、「砂漠の狐」の異名で世界中に知られる存在となっていた。
対するイギリス軍は、包囲された要衝トブルクを救出するため、「クルセイダー作戦」を発動する。
プレイヤーはドイツ軍またはイギリス軍の司令官となり、広大な砂漠を舞台に補給線を維持しながら部隊を機動させ、敵の動きを読み切って勝利を目指す。
遊び方
プレイヤーはドイツ軍またはイギリス軍を担当し、交互にユニットを移動・戦闘させながら戦局を進める。
ゲーム最大の特徴は「ダミーユニット」である。
各プレイヤーは実際の部隊だけでなく、正体を隠したダミー部隊も配置できるため、
・本隊を隠す
・敵を誘導する
・陽動作戦を仕掛ける
といった情報戦を展開できる。
戦闘ではダイスを使用し、地形や部隊の戦力を考慮しながら勝敗を決定する。
また、北アフリカ戦線らしく機動力が極めて重要となる。
砂漠には障害物が少ないため、戦車部隊は広範囲を移動できる一方、補給線が途絶えると戦力を十分に発揮できなくなる。
そのため、
・どこへ戦力を集中するか
・敵の本隊はどこか
・いつ攻勢へ出るか
といった判断が勝敗を左右する。
ルール自体は当時のウォーゲームとしては比較的シンプルでありながら、本格的な作戦立案や心理戦を楽しめる作品となっている。
キツネとの関係性
本作に登場する「キツネ」は動物ではない。
タイトルの「砂漠の狐」とは、ドイツ陸軍元帥エルヴィン・ロンメルの異名である。
ロンメルは、機動力を活かした大胆かつ柔軟な戦術を得意とし、敵の裏をかく巧みな作戦から「Desert Fox(砂漠の狐)」と呼ばれるようになった。
キツネは世界各地で「知恵」「狡猾さ」「素早さ」の象徴として語られることが多く、ロンメルの戦い方もそのイメージと重なる。
本作では、その異名どおり、敵の動きを読み、ダミーユニットで欺きながら戦うゲームシステムとなっており、「狐のような知略」をプレイヤー自身が体験できる点が大きな特徴である。
ただし、動物のキツネや妖狐をテーマとした作品ではなく、歴史上の人物に由来するタイトルであるため、生態や民話におけるキツネとの直接的な関係はない。