ふぉくしー ふぉくしー/もっと ざ ふーぷる Foxy Foxy/Mott the Hoople
「Foxy Foxy」は、イギリスのロックバンドMott the Hoopleが1974年に発表した楽曲である。 1974年6月にCBSからシングルとして発売され、B面には「Trudi's Song」を収録した。Mott the Hoopleのディスコグラフィーでは1974年6月発売、CBS 2439として確認できる。Official Chartsでも同じカタログ番号が記録され、全英シングルチャートでは最高33位を記録した。 本曲は当初、アルバム未収録のシングルとして発表された作品である。後にベスト盤や『The Hoople』のCD再発盤へ追加収録され、現在では同アルバムのボーナストラックとして聴くこともできる。Mott the Hoopleのディスコグラフィーでも「Originally a non-LP single」と明記されている。 作詞・作曲はIan Hunter。 タイトルには狐から派生した“Foxy”という言葉が使われているが、歌詞に実在する狐は登場しない。 歌われているのは、愛する相手が自分のもとから離れてしまい、その相手に戻ってきてほしいと願う人物の気持ちである。語り手は相手を“Foxy”と繰り返し呼び、抱きしめたい、キスしたい、もう一度チャンスがほしい、二人を引き離さないでほしいと訴える。
基本情報
曲名:Foxy Foxy
アーティスト:Mott the Hoople
作詞・作曲:Ian Hunter
リードボーカル:Ian Hunter
リズムギター:Ian Hunter
ベース、ボーカル:Overend Watts
キーボード、シンセサイザー:Morgan Fisher
ドラム:Dale Griffin
リードギター、ボーカル:Ariel Bender
発売:1974年6月
レーベル:CBS
英国盤品番:CBS 2439
B面:Trudi's Song
楽曲時間:約3分31秒
ジャンル:グラムロック、ロック
国:イギリス
Official Chartsでは「Foxy Foxy」をCBS 2439として掲載し、1974年6月22日付でチャート入り、翌週に最高33位を記録したとしている。
Apple MusicではIan Hunterをソングライターとしてクレジットし、当時のMott the Hoopleの演奏メンバーも確認できる。
シングルについて
「Foxy Foxy」は1974年に単独シングルとして発表された。
Mott the Hoopleの英国シングル・ディスコグラフィーでは、
Foxy Foxy / Trudi's Song
の組み合わせで1974年6月に発売されたことが記録されている。
また、1974年秋のMott the Hoople公式ツアープログラムにも、
「Foxy, Foxy」
c/w 「Trudi's Song」
CBS 2439
として掲載されている。
全英チャートでは5週間ランクインし、最高33位。
Mott the Hoopleはこの直前まで、
「All the Young Dudes」
「Honaloochie Boogie」
「All the Way from Memphis」
「Roll Away the Stone」
「The Golden Age of Rock 'n' Roll」
などでより上位のヒットを記録していたため、「Foxy Foxy」は大ヒット曲というより、バンド後期に発表されたシングルの一つという位置付けになる。
『The Hoople』との関係
「Foxy Foxy」は現在、『The Hoople』の収録曲として表示されることがある。
しかし、1974年3月発売のオリジナルLP『The Hoople』には収録されていない。
同作のオリジナル本編は「Roll Away the Stone」までの9曲で構成されていた。
「Foxy Foxy」はその後に発売された非LPシングルであり、2000年および2006年のCD再発時にボーナストラックとして追加された。Mott the Hoopleのディスコグラフィーでは、2000年版・2006年版双方のボーナストラックとして確認できる。
現在のSpotifyやApple Musicでは『The Hoople』の12曲目として表示される版が存在するため、初出をアルバム曲と誤認しないよう注意が必要である。
楽曲について
「Foxy Foxy」は、非常に直接的な恋愛歌である。
語り手は、離れてしまった相手へ電話をかけようとするものの、その人物は不在である。
そこで、
戻ってきてほしい
自分のそばにいてほしい
抱きしめたい
キスしたい
自分の気持ちはますます強くなっている
と訴える。
その後も、相手が悲しむ姿を見るのはつらい、自分はいつまでも愛し続ける、心の中へ入れてほしい、もう一度チャンスがほしい、といった気持ちが続く。
最後には“Foxy Foxy”という呼びかけが何度も反復される。
物語として複雑な展開を持つ作品ではなく、一人の人物に対する強い恋愛感情をストレートに表現した楽曲である。
タイトル「Foxy Foxy」
“foxy”は英語の“fox=狐”から派生した形容詞である。
しかし、人間について使用する場合には、
魅力的な
色気のある
セクシーな
といった意味を持つ俗語的表現として使われることがある。
本曲では、この人物表現としての“Foxy”が相手への呼びかけになっていると考えるのが自然である。
歌詞には、
狐が森を歩く
狐が狩りをする
狐が人間へ化ける
狐が人間を騙す
といった描写は一切ない。
語り手が“Foxy”へ語りかける内容は、恋愛対象への呼びかけとして一貫している。
そのため、タイトルを文字どおり「狐、狐」と解釈するのは適切ではない。
「Foxy」は女性を意味するのか
英語の“foxy”は、特に魅力的な女性を表す表現として使用されることが多い。
本曲も男性ボーカルであるIan Hunterが恋愛対象に呼びかける内容であり、女性への歌として理解することは自然である。
ただし、今回確認できる歌詞では相手の性別を明示する代名詞や固有名詞は中心的には使われていない。
またIan Hunter本人が、
「Foxyは特定の女性を意味する」
「この人物がモデルである」
と説明した一次資料も確認できなかった。
したがって記事上では、
「愛する相手」
とするのが最も安全である。
そのうえで“foxy”が英語圏で特に魅力的な女性を指す場合があることを補足するのが適切である。
キツネとの関係
本曲における狐との関係は、
「狐から派生した英語の人物表現“foxy”を使用した楽曲」
に分類できる。
実在する狐は登場しない。
また、
妖狐
九尾の狐
白狐
狐神
稲荷信仰
狐面
狐火
狐の嫁入り
などとも無関係である。
さらに、相手が狐のように狡猾である、狐のように人を騙す、といった内容でもない。
むしろ“Foxy”は愛情を込めた呼びかけとして使用されている。
そのため、
「狐を描いた曲」
ではなく、
「狐という英単語から派生した、魅力的な人物を表す語を使用した恋愛歌」
とするのが適切である。
狐の「狡猾さ」との関係
西洋文化では狐に、
狡猾
抜け目がない
賢い
といったイメージが与えられることがある。
しかし「Foxy Foxy」では、その意味は歌詞から確認できない。
相手が語り手を騙している描写や、策略を用いている描写はない。
語り手が苦しんでいる理由は、愛する相手が自分のもとにいないことである。
したがって、
「狡猾な恋人を狐にたとえた曲」
と解釈する根拠はない。
タイトルの“Foxy”は、人物の魅力を表現する俗語・愛称として理解する方が歌詞内容に合っている。
“fox”から“foxy”への派生
「ふぉくすなっ♪」で扱ううえでは、“fox”そのものではなく“foxy”という派生語が使われている点も興味深い。
英語では動物名から人物の性格・外見を表す言葉が派生することがある。
“foxy”もその一つであり、狐そのものを指さずに、人間の魅力や印象を表す語として定着している。
本曲はタイトルと歌詞の両方で“Foxy”を繰り返すため、
「狐という動物名から派生した人間表現」
の例として分かりやすい作品である。
ただし、Ian Hunterが狐という動物のどの特徴から“Foxy”を選んだのかを説明した資料は確認できない。
したがって、
「狐の妖艶さを恋人に重ねた」
などと作者の意図として断定することは避ける必要がある。
Mott the Hoopleについて
Mott the Hoopleは、1969年から1970年代半ばにかけて活動したイギリスのロックバンドである。
1972年にDavid Bowieが提供・プロデュースした「All the Young Dudes」で大きな成功を収め、その後も「Honaloochie Boogie」「All the Way from Memphis」「Roll Away the Stone」「The Golden Age of Rock 'n' Roll」などを発表した。
「Foxy Foxy」が発表された1974年は、Mott the Hoopleのオリジナル活動期の終盤にあたる。
同年にはアルバム『The Hoople』とライブアルバム『Live』も発表され、Ian Hunter脱退前の最後期となった。
Ian Hunterについて
「Foxy Foxy」を作詞・作曲したIan Hunterは、Mott the Hoopleのリードボーカル、主要ソングライターである。
Apple Musicのクレジットでも、本曲のソングライターとしてIan Hunterが登録されている。
Mott the Hoople解散後はソロアーティストとして活動し、「Once Bitten, Twice Shy」などを発表した。
「Foxy Foxy」はIan Hunterらしい物語的・社会的な楽曲というより、非常にシンプルで直接的なラブソングという点でも特徴的である。
狐関連楽曲としての位置付け
「Foxy Foxy」は、「ふぉくすなっ♪」では狐との関係が比較的弱い部類に位置付けるのが適切である。
タイトルには狐から派生した“Foxy”という言葉があり、歌詞でもその呼びかけが繰り返される。
そのため、
「タイトルだけに偶然狐語彙がある」
わけではない。
一方、実在する狐はまったく登場しない。
最も正確な分類は、
「魅力的な人物への呼びかけとして“Foxy”を使用した楽曲」
である。
さらに詳しく言えば、
「狐という動物名から派生した英語の俗語・人物表現を使用した恋愛歌」
となる。
妖狐や狐伝承、狐の生態、狡猾さなどとの関係は確認できない。
また、“Foxy”の具体的な命名理由についてIan Hunter本人の説明も確認できないため、狐の性的・妖艶なイメージを作者の意図として付け加えるべきではない。
「ふぉくすなっ♪」では、
「本当に狐を描いている曲」
とは明確に分け、
「fox/foxyという語が、人間の魅力を示す英語表現へ変化した例」
として掲載するのが最も適切な作品である。