きつねそば きつねそば
甘辛く煮た油揚げをのせた日本のそば料理
概要
甘辛く煮た油揚げをのせた日本のそば料理である。
油揚げを具材とする点はきつねうどんと共通しており、地域や店舗によって温かいそば・冷たいそばのどちらでも提供されている。
「きつね」という名称は、狐が油揚げを好むという古くからの民間伝承に由来する。
実際の野生のキツネが油揚げを主食としているわけではないが、稲荷信仰と結び付いた文化的なイメージから広く親しまれるようになった。
狐との関わり
きつねそばの名前は、稲荷神社に深く関係している。
稲荷神の神使とされる白狐には、古くから油揚げがお供えされてきた。その理由には諸説あるが、油揚げが貴重な食べ物だったことや、油揚げの原料である大豆が五穀豊穣の象徴と考えられていたことなどが挙げられる。
こうした文化が広まる中で、「油揚げ=狐」というイメージが定着し、油揚げをのせたそばは「きつねそば」と呼ばれるようになった。
なお、実際のキツネはネズミやウサギ、昆虫、果実などを食べる雑食性の動物であり、野生で油揚げを食べる機会はほとんどない。
歴史
きつねそばが広く食べられるようになったのは、きつねうどんの人気が全国へ広まった後と考えられている。
関西ではうどん文化が発達していたため「きつね」といえばうどんを指すことが多かった。一方、関東ではそば文化が盛んだったことから、油揚げをのせたそばも自然に普及し、「きつねそば」という名称が定着した。
現在では全国各地のそば店や立ち食いそば店、家庭料理としても親しまれている。
特徴
・甘辛く煮た油揚げが主役のそば料理である。
・温かいかけそばだけでなく、冷たいざるそばやぶっかけそばとして提供されることもある。
・店舗ごとに油揚げの甘さや厚み、だしの風味が異なる。
・七味唐辛子や柚子、一味唐辛子などを添えて味の変化を楽しむことも多い。
豆知識
地域によっては「きつね」は油揚げを意味し、「たぬき」は天かすを意味するが、その定義は全国共通ではない。
また、海外では「Kitsune Soba」として紹介されることもあり、日本食レストランでは「Kitsune Udon」と並ぶ定番メニューとなっている。