ぴくぴくおつかいきつねしあわせになります ぴくぴくお使い狐、幸せになります
華藤えれなによるボーイズラブ(BL)ファンタジー小説である。イラストはサマミヤアカザが担当している。 2015年に笠倉出版社の「クロスノベルス」より刊行された作品で、神様のお使いである小さな狐と、人間の青年との純愛を描いた和風ファンタジーである。愛らしい狐の主人公と切ない恋物語が特徴で、多くの読者から支持を集めている。
あらすじ
神様のお使いとして、人々へ小さな幸せを届けている狐の小夏。
ある日、小夏は悪狐と間違われ、人間に撃たれてしまう。しかし、その命を救ってくれた子爵家の御曹司倫仁に恋をする。
やがて、小夏が暮らす祠はダム建設によって水底へ沈むことになり、桜が散る頃には神使としての寿命も尽きる運命にあることを知る。
最後にもう一度だけ倫仁に会いたい――。
その願いを叶えるため、小夏は悪狐と契約を交わし、一時的に人間の姿となる。限られた時間の中で、人として生きる喜びや恋する切なさを知り、二人の想いは次第に深まっていく。
狐との関わり
本作の主人公・小夏は、神社に仕える神様のお使い狐である。
人々へ幸せを届けることを使命としており、純粋で優しい心を持つ。狐耳や尻尾を持つ愛らしい姿だけでなく、人間へ変身する能力も備えている。
また、作中には小夏とは対照的な悪狐も登場し、狐という存在の善悪両面が描かれている。
主な登場人物
小夏
本作の主人公。
神様のお使いを務める小さな狐。
人々へ幸せを届けることを喜びとし、命の恩人である倫仁へ一途な恋心を抱く。
倫仁
子爵家の御曹司。
傷ついた小夏を助けたことをきっかけに交流が始まる。
誠実で優しい青年であり、小夏の純粋な想いに少しずつ心を開いていく。
作品の魅力
本作の魅力は、純粋すぎる狐の恋を丁寧に描いている点にある。
見どころとして、
神使の狐という設定
人間と妖狐の切ない恋愛
限られた命というタイムリミット
心温まる和風ファンタジー
愛らしい狐の描写
などが挙げられる。
恋愛だけでなく、「誰かを幸せにしたい」という小夏のまっすぐな願いが物語全体を優しく包んでいる。
キツネ好きにおすすめのポイント
本作は、「神使としての狐」を主人公にした作品である。
妖狐として戦うのではなく、人々の幸福を願い、恩人へ恋をする小夏の姿は、日本の「狐の恩返し」や稲荷信仰に通じる優しい狐像として描かれている。
可愛らしい狐の物語が好きな人に特におすすめの一冊である。
キツネ文化との関わり
日本では、狐は古くから稲荷神の神使として信仰され、人々へ福をもたらす存在と考えられてきた。
本作の小夏も、その伝承をもとに創作された神使であり、「人に幸せを届ける狐」という日本らしい狐像を現代ファンタジーとして表現している。
神使の狐とは?
神使とは、神の意思を人々へ伝えたり、神域を守ったりする使者のことである。
稲荷神社では狐が神使として広く知られており、神社の境内に並ぶ狐像も神使を表している。
本作では、その神使の狐を主人公に据えることで、日本の伝承と恋愛ファンタジーを巧みに融合させている。