ばいふー/あん ちーある 白狐/安祈尔

「白狐」は、中国語圏の歌手・安祈尔(安祈爾/Angela)が歌唱した楽曲である。 2009年9月18日発売のアルバム『一定要爱你』に収録されており、アルバムでは7曲目に配置されている。Apple Music、Amazon Musicともに同日発売の作品として掲載しており、Amazon Musicでは楽曲時間を4分38秒としている。 作詞は孙红莺、作曲は李旭辉。Shazamでも安祈尔をPerforming Artist、李旭辉をComposer、孙红莺をSongwriterとしてクレジットしている。 この「白狐」は安祈尔のオリジナル曲ではなく、2006年に陈瑞の歌唱によって広く知られるようになった同名曲のカバーである。原曲は孙红莺が作詞、李旭辉が作曲し、2006年4月にインターネット上で公開された。 安祈尔版では、千年の修行を重ねた白狐が人間の書生を愛し、長い年月を待ち続けながらも、書生の立身出世と結婚によって別れる悲恋が歌われる。

基本情報

曲名:白狐

中国語読み:Bái Hú(バイ・フー)

歌唱:安祈尔

英字表記:Angela

作詞:孙红莺

作曲:李旭辉

収録アルバム:『一定要爱你』

発売日:2009年9月18日

アルバム曲順:7曲目

楽曲時間:4分38秒

ジャンル:Mandopop

レーベル:Metro Muzik Sdn Bhd

言語:中国語

Apple Musicでは「白狐」を『一定要爱你』収録曲として2009年9月18日発売と記録している。

Amazon Musicでは同アルバムを全12曲、約53分の作品として掲載し、「白狐」を7曲目、4分38秒としている。レーベル表記はMetro Muzik Sdn Bhdである。

陈瑞版との関係

安祈尔版「白狐」は、陈瑞が2006年に歌唱した「白狐」と同じ楽曲である。

原曲「白狐」は孙红莺が1997年に書いた詩「苦命的狐」を起点とし、その後改稿を経て2006年3月に「白狐」として発表された。李旭辉が作曲し、陈瑞が録音した音源が2006年4月にインターネット上で公開され、大きく広まった。

安祈尔版でも、

作詞:孙红莺
作曲:李旭辉

という原曲と同じクレジットが確認できる。

さらに公式映像で確認できる歌詞も、陈瑞の初期版として知られる「千年修行する狐」の内容と一致している。

したがって、

「白狐/陈瑞」=原曲・代表的歌唱版
「白狐/安祈尔」=後発のカバー版

と区別するのが分かりやすい。

小阿枫版との違い

同じ「白狐」には、小阿枫による2020年のカバーも存在する。

ただし、安祈尔版と小阿枫版には歌詞上の違いがある。

安祈尔版では、冒頭から白狐が自らを「千年修行してきた狐」として語る原版系統の歌詞が使用されている。Metro Muzik Chineseの公式映像でもその内容が確認できる。

一方、小阿枫版では「千年愛し続けた狐」という方向へ変更された改詞版が使われている。

したがって、両方とも同じ「白狐」のカバーではあるものの、

安祈尔版=原作詞に近い「修行千年」版
小阿枫版=後年の改詞版系統

という違いがある。

「ふぉくすなっ♪」で個別記事化する場合、この点を区別すると各バージョンの違いが分かりやすい。

楽曲について

「白狐」は、白狐自身の視点から人間との叶わなかった恋を振り返る物語歌である。

物語の主人公は一匹の白狐である。

ただし自然界に生息する普通の狐ではない。

白狐は千年にわたって修行し、同じく千年にわたって孤独に耐えてきた存在として描かれる。

そして一人の人間を愛する。

相手は貧しい書生であり、長い年月を勉学に費やしている人物である。

白狐が彼を愛した頃、書生はまだ何も持っていない。

しかし時が流れ、書生はついに科挙で成功する。

同時に彼は結婚を迎える。

白狐にとって書生の成功は、二人が結ばれる未来ではなく、二人の別れを意味する。

そのため本曲では、

愛
待機
成功
結婚
別離

が強い対比を持って描かれている。

白狐と書生

本曲では、「白狐」と「書生」という中国の怪異・恋愛物語で馴染み深い組み合わせが用いられている。

書生は科挙合格を目指して学問に励む若者である。

白狐が彼を愛した時、書生は貧しく、長い時間を勉強に費やしている。

しかし彼が成功した時には、すでに別の女性との結婚が待っている。

白狐はその姿を見届けながら、自分の愛が終わったことを悟る。

この構造は、中国の志怪・伝奇文学などに見られる、

人間の男性
異類の女性
恋愛
人間社会への帰還
別離

という物語を強く連想させる。

ただし、本曲が特定の古典作品を直接原作としているという資料は確認できない。

そのため、

「『聊斎志異』の特定作品を歌った曲」

などとは断定しない方がよい。

放生された白狐

物語でも特に重要なのが、白狐と書生の過去の縁である。

安祈尔版の歌詞では、白狐が自らを「かつてあなたに放生された白狐」であるという趣旨で語る。

放生とは、捕らえられている生き物を逃がし、命を助ける行為である。

したがって二人の関係には、

書生が白狐を助ける
↓
白狐がその恩を忘れない
↓
白狐が書生を愛する
↓
長い年月を越えて思い続ける

という背景がある。

このため本曲には、中国をはじめ東アジアの物語で見られる「動物報恩譚」の要素も感じられる。

ただし白狐の感情は単なる恩返しに留まらず、明確な恋愛として描かれている。

そのため、

「助けられた狐の恩返し」

だけでなく、

「命を救われたことをきっかけに生まれた人狐の悲恋」

として捉える方が作品内容に近い。

白狐は妖狐なのか

本曲の白狐は実在する野生動物ではない。

白狐は、

千年間修行する
千年間生き続ける
人間へ恋をする
舞を踊る
人間の感情と言葉を持つ

という特徴を備えている。

したがって、普通の狐とは明確に異なる。

中国文化では、長い年月を生きて修行した狐が霊力を獲得する「狐妖」「狐仙」の伝承が広く存在する。

そのため本曲の主人公も、

「中国の妖狐・狐仙文化を強く思わせる白狐」

と位置付けることができる。

ただし、歌詞では自らを、

狐妖
狐仙

と明示しているわけではない。

したがって、

「狐仙である」

と断定するより、

「千年修行する狐として描かれ、狐妖・狐仙のイメージに非常に近い」

とするのが正確である。

なぜ「白狐」なのか

主人公は単なる「狐」ではなく、「白狐」である。

白い狐は中国の怪異・神仙文化でも特別な存在として語られることがあるが、本曲でなぜ主人公が白狐として設定されたのかについて、作詞者本人による詳しい説明は今回確認できなかった。

そのため、

白色=神聖
白狐=高位の狐仙
白狐=特定の階級

などと断定することはできない。

作品上確実にいえるのは、

「主人公が白狐として設定されている」

という点である。

九尾の狐との関係

本曲の主人公は九尾の狐ではない。

千年を生き、修行する狐であることから九尾の狐を連想することはできるが、歌詞には、

九尾
九本の尾
妲己
玉藻前

などは登場しない。

そのため、

「千年修行した狐=九尾の狐」

とするのは不適切である。

「ふぉくすなっ♪」の分類でも、

#妖狐
#白狐
#狐仙

は関係するが、

#九尾の狐

は基本的に付けない方が正確である。

日本の白狐との違い

日本で「白狐」という言葉を聞くと、稲荷信仰における白狐を連想しやすい。

しかし安祈尔版「白狐」は中国語楽曲であり、日本の稲荷信仰を題材としていない。

歌詞にも、

稲荷神
神使
神社
鳥居
稲荷大神

などは登場しない。

したがって、

「稲荷神の使いである白狐の歌」

ではない。

同じ「白狐」という言葉でも、中国の妖狐・狐仙文化の文脈と、日本の稲荷信仰における白狐は分けて考える必要がある。

安祈尔版の公式映像

Metro Muzik Chineseは2018年4月23日に、YouTubeで「安祈尔 ANGELA - 白狐 (OFFICIAL VIDEO)」を公開している。

映像説明にはMetro Muzikの著作権表記があり、安祈尔版の公式映像として扱うことができる。

この公式映像によって、安祈尔版が原版系統の歌詞を使用していることも確認できる。

つまり、

「千年修行する狐」
「千年待ち続ける狐」
「貧しい書生」
「科挙合格」
「結婚」
「放生された白狐」
「最後の舞」

という要素が安祈尔版にも明確に残っている。

アルバム『一定要爱你』について

「白狐」は安祈尔のアルバム『一定要爱你』に収録されている。

Amazon Musicでは全12曲のアルバムとして掲載され、曲順は以下のようになっている。

  1. 一定要爱你
  2. 怎么会狠心伤害我
  3. 你永远是我的回忆
  4. 爱你那么深
  5. 来来来
  6. 我真的真的爱你
  7. 白狐
  8. 做爱你的人
  9. 尽缘
  10. 有没有人告诉你
  11. 你的选择
  12. 爱你爱在心坎里

「白狐」はちょうどアルバム中盤に位置している。

同作は2009年9月18日発売、Metro Muzik Sdn Bhdからのリリースとして確認できる。

安祈尔について

安祈尔は中国語圏で活動する歌手で、Apple Musicでは「安祈爾」、中国本土向けページでは「安祈尔」と表記されている。

ディスコグラフィーには、

『一定要爱你』
『在心里从此永远有个你』
『如果没有他你还爱我吗』
『别在分手的时候说爱我』

などが確認できる。

その後も作品を発表しており、Apple Musicでは2023年以降のアルバムや2025年のEPも掲載されているため、長期にわたりリリース活動を続けていることが分かる。

「白狐」は彼女自身の作詞・作曲作品ではなく、既存のヒット曲を歌唱したカバーの一つである。

中国の狐文化との関係

「白狐」は、中国文化における狐の物語と非常に親和性が高い。

中国の狐怪談では、狐が長い年月を生きることによって霊力を得て、

人間の姿を取る
人間と交流する
人間を愛する
人間へ恩返しをする

といった物語が多数存在する。

本曲でも、

千年修行する狐
人間との恋
放生による縁
人間的な感情
舞を踊る姿
書生との別れ

という要素が揃っている。

そのため、中国における「狐妖」「狐仙」の文化的イメージを強く感じさせる作品である。

ただし、本曲が特定の中国古典や伝承を直接翻案したとする資料は確認できない。

したがって、

「中国の妖狐文化を背景として連想させる作品」

とするのが適切である。

キツネとの関係

本曲における狐との関係は極めて強い。

主人公そのものが白狐である。

さらに白狐は、

千年間修行する
千年間孤独に耐える
人間の書生を愛する
長く待ち続ける
かつて書生に助けられた過去を持つ
人間のように舞う
書生との別れを経験する

という、物語全体の中心的存在である。

そのため、

「タイトルだけに狐がある」

作品ではない。

また、

「人間を狐にたとえた比喩」

でもない。

実際に「狐である存在」が主人公として描かれる。

ただし、現実の野生動物としての狐ではなく、千年修行する超自然的な白狐である。

分類としては、

「白狐が主人公の楽曲」
「人間と狐の異類恋愛を描いた楽曲」
「妖狐・狐仙を連想させる楽曲」
「動物報恩譚の要素を持つ楽曲」

となる。

狐関連楽曲としての位置付け

「白狐」/安祈尔は、「ふぉくすなっ♪」において狐関連性が非常に高い楽曲として扱うことができる。

ただし、安祈尔自身が新たに制作した狐楽曲ではなく、陈瑞の歌唱で広く知られた既存曲「白狐」のカバーである。

そのため位置付けとしては、

「中国の代表的な狐関連楽曲『白狐』の安祈尔歌唱版」

となる。

安祈尔版の特徴として重要なのは、小阿枫版などで使われる改詞版ではなく、白狐が「千年修行する狐」と名乗る原版系統の歌詞を歌っていることである。公式映像でもこの内容を確認できる。

狐は単なる象徴ではなく、

主人公
語り手
恋愛主体
超自然的存在

という複数の役割を持つ。

一方、

九尾の狐
妲己
玉藻前
稲荷の白狐

など、特定の狐伝承との直接的な関係は確認できない。

したがって最も正確には、

「千年修行する白狐と人間の書生との叶わぬ恋を描いた、中国の妖狐・狐仙文化を強く連想させる楽曲『白狐』を、安祈尔が2009年に歌唱したカバー版」

と位置付けることができる。

  • #創作
  • #楽曲
  • #白狐
  • #安祈尔
  • #キツネ
  • #白狐
  • #妖狐
  • #狐妖
  • #狐仙
  • #カバー
  • #悲恋
  • #異類恋愛
  • #Mandopop
  • #海外
  • #中国