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きつねをかいならす しられざるせいぶつがくしゃとおどろくべきかちくかじっけんのものがたり キツネを飼いならす ― 知られざる生物学者と驚くべき家畜化実験の物語

原題:How to Tame a Fox (and Build a Dog)は、リー・アラン・ダガトキンとリュドミラ・トルートによる科学ノンフィクションである。 本書は、旧ソ連で約60年以上にわたり続けられた「キツネ家畜化実験」の歴史を描いており、人になつく個体だけを選んで繁殖させることで、野生のアカギツネが犬のような性質へ変化していく過程を紹介している。2023年に青土社から邦訳版が刊行された。

あらすじ・内容

1940〜1950年代、旧ソ連の研究者たちは「犬はどのように家畜化されたのか」という疑問を解き明かすため、アカギツネを対象とした繁殖実験を開始した。

実験では、攻撃性ではなく人に対して友好的な個体だけを選び続けて繁殖させた。その結果、数十世代のうちに人へ尾を振る、抱っこを嫌がらない、耳が垂れる、毛色に白斑が現れるなど、犬にも見られる特徴が現れたという。

本書では、この実験を主導した研究者たちの歩みと、家畜化による行動や身体の変化、さらには進化や遺伝学への影響について詳しく紹介している。

主な内容

  • シベリアで始まったキツネ家畜化実験
  • リュドミラ・トルートら研究者の歩み
  • 人になつく個体の選抜繁殖
  • 家畜化症候群(耳・尾・毛色などの変化)
  • 行動の変化と遺伝
  • 犬の家畜化との比較
  • 進化生物学への貢献

本書の魅力

本書最大の魅力は、「キツネが犬のように変化していく過程」を、実際の長期科学実験をもとに描いていることである。

一般的な動物図鑑では、生態や分類を学ぶことはできても、「家畜化とは何か」「なぜ犬はオオカミから生まれたのか」といった進化の過程まで詳しく知ることは難しい。

本書は、科学的な実験結果だけでなく、研究者たちが政治的・社会的困難を乗り越えながら研究を継続した歴史も描かれており、科学読み物としても高く評価されている。

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