ふぁいあーえむぶれむいふ ファイアーエムブレムif
任天堂から2015年6月25日に発売されたニンテンドー3DS用シミュレーションRPGである。『ファイアーエムブレム』シリーズの一作で、「白夜王国」と「暗夜王国」という二つの国のどちらに味方するかによって物語が大きく変化する。さらに、どちらにも属さない第3の物語「インビジブルキングダム」も追加シナリオとして展開された。 狐との関係は非常に明確で、本作にはそのものずばり「妖狐」という種族・兵種が存在する。 妖狐は人間に近い姿と狐の姿を使い分ける獣人で、専用武器「獣石」を用いることで戦闘時に巨大な狐へ変身する。 主要な妖狐として、 ニシキ キヌ が登場する。 さらに妖狐の上級兵種として「九尾の狐」が存在するため、狐耳・狐の尻尾だけでなく、妖狐、狐への変身、九尾の狐、狐の集落、人間による狐狩りなど、狐に関係する設定が世界観や物語にも組み込まれている。
基本情報
タイトル:ファイアーエムブレムif
ジャンル:シミュレーションRPG
発売日:2015年6月25日
対応機種:ニンテンドー3DS
発売:任天堂
開発:インテリジェントシステムズ、任天堂
本作は大きく、
白夜王国
暗夜王国
インビジブルキングダム
の3ルートに分かれる。
選択したルートによって仲間になる人物や戦う相手が変化し、妖狐のニシキについてもその立場が大きく変わる。
妖狐
『ファイアーエムブレムif』に登場する狐系の種族。
読みは「ようこ」。
人間に近い姿では狐耳と大きな尻尾を持ち、「獣石」を使用することで狐の姿へ変身して戦う。
白夜王国側に属する人外種族として位置付けられており、暗夜王国に存在する狼系獣人「ガルー」と対になる存在でもある。
妖狐は単に狐をモチーフにした人間ではなく、
公式の種族名:妖狐
狐への変身:可能
狐耳:あり
狐の尻尾:あり
という、明確な狐系獣人である。
獣石
妖狐が戦闘で使用する特殊な武器。
ニシキやキヌは普段、人間に近い獣人姿で行動しているが、戦闘時には獣石の力を利用して狐の姿へ変化する。
そのため『ファイアーエムブレムif』では、
狐耳の人型キャラクターが武器を持って戦う
というだけではなく、
人型
↓
獣石を使用
↓
四足歩行の狐型へ変身
↓
狐の姿で敵を攻撃
という狐への変身そのものが戦闘システムに組み込まれている。
九尾の狐
妖狐の上級兵種。
ゲーム内で実際に、
「九尾の狐」
という名称が使用されている。
妖狐が上級職へ昇格することで就くことができ、狐形態ではその名の通り九本の尾を持つ姿になる。
日本や中国などの伝承で知られる「九尾の狐」を直接兵種名として取り入れている点が大きな特徴である。
ただし、本作では「九尾」がニシキ個人の生まれながらの種族名というわけではない。
ニシキの基本兵種
→妖狐
上級兵種
→九尾の狐
というゲーム上のクラス関係である。
そのためニシキを常に「九尾の狐」と紹介するより、
「妖狐であり、上級兵種として九尾の狐になれる」
と記載する方が正確である。
ニシキ
CV:高橋勇太
誕生日:7月12日
初期兵種:妖狐
『ファイアーエムブレムif』を代表する狐キャラクター。
白夜王国の山中に存在する妖狐の里を治める長である。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の公式紹介でも、
「妖狐の里の長」
として紹介され、娘のキヌとともに明確な妖狐キャラクターとして扱われている。
妖狐の里の長
ニシキは単独で暮らしている妖狐ではなく、妖狐たちが集団で生活する里の長である。
そのため本作では、
一人だけ狐キャラクターが登場する
のではなく、
「妖狐」という種族そのものが集落を形成して生活している
ことが分かる。
ニシキは自分たち妖狐の毛並みを非常に美しいものと考えており、自身の毛並みにも強い自信を持つ。公式の『ファイアーエムブレム ヒーローズ』でも、妖狐を「世界一美しい種族」と自負していることが紹介されている。
ニシキの性格
ニシキは明るく人懐こい性格で、他人から受けた恩を必ず返そうとする義理堅い人物である。
恩返しに非常にこだわっており、自分が何かをしてもらうと、それ以上の形で相手へ返そうとする。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の公式紹介でも、
「仲間に受けた恩は何倍にもして返す」
人物として説明されている。
一方、自分たちの里や仲間を危険にさらす人間に対しては非常に厳しい。
この二面性には、妖狐と人間との歴史が関係している。
妖狐と人間
妖狐たちは人間を無条件に信頼しているわけではない。
妖狐の美しい毛皮は人間にとって価値が高く、毛皮を狙って妖狐を狩る者が存在する。
そのため妖狐の里では、人間が里へ無断で侵入することを極めて危険視している。
ニシキ自身は外の世界で親切な人間に出会った経験を持つ一方、
妖狐へ近づき、信用させてから毛皮を狙う人間もいる
という事情も理解している。
このため本作の妖狐は、「かわいい狐獣人」というだけではなく、人間による狩猟との緊張関係まで設定されている。
妖狐の山
暗夜王国編では、妖狐が集団で暮らす「妖狐の山」が物語の舞台になる。
暗夜王国編第19章の名称も、
「妖狐の山」
である。
主人公たちは白夜軍を避けるため山を通過しようとするが、そこは妖狐たちの生活圏であった。
このルートではニシキは仲間にならず、妖狐たちと敵対することになる。
つまりニシキは選択したルートによって、
白夜王国編・インビジブルキングダム
→仲間
暗夜王国編
→敵
という大きく異なる立場になる。
暗夜王国編の妖狐
暗夜王国編第19章では、ニシキだけでなく多数の妖狐・九尾の狐が敵として登場する。
ここでは「妖狐」という種族が集団で存在していることを、ゲーム上でも直接確認できる。
妖狐たちは人間に姿を見せながらも、戦闘では獣石によって狐へ変身する。
そのため狐という観点では、本作でも特に狐要素の濃いマップである。
一方で物語としては、人間と妖狐の相互不信が戦いへ発展する重い場面でもある。
毛皮を狙われる妖狐
妖狐の毛皮が高い価値を持つ設定は、ニシキだけでなく娘のキヌにも関係する。
キヌが登場する外伝では、彼女の毛皮を狙う人間たちとの争いが発生する。
つまり、
狐の美しい毛皮
↓
人間に価値を見出される
↓
狩猟対象になる
↓
妖狐が人間を警戒する
という関係が世界設定として成立している。
キヌ
CV:中恵光城
誕生日:10月20日
初期兵種:妖狐
ニシキの娘。
明るく無邪気で、遊ぶことが大好きな妖狐の少女である。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の公式紹介では、
「妖狐という獣人の血を引く女の子」
と明記されている。
父親であるニシキと同様、
狐耳
大きな狐の尻尾
狐への変身
という特徴を持つ。
ニシキの娘
キヌは本編開始時から通常加入する人物ではなく、『ファイアーエムブレムif』の子世代システムによって登場する。
ニシキが女性キャラクターと支援関係を深めて結婚すると、キヌの外伝が発生する。
その外伝でニシキと再会し、条件を満たすことで仲間へ加わる。
したがってキヌは、
ニシキ
↓
結婚
↓
娘キヌが登場
という形で出現する狐キャラクターである。
キヌの性格
キヌは非常に好奇心旺盛で、怖いもの知らず。
危険の少ない秘境で育ったこともあり、さまざまなものへ興味を示す。
公式紹介でも、
「好奇心が強く、なんでも挑戦する恐れ知らず」
と説明されている。
父親譲りの明るさを持ち、ふさふさとした尻尾もニシキから受け継いでいる。
じゃれつき妖狐
キヌには、
「じゃれつき妖狐」
という称号がある。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』でも「じゃれつき妖狐 キヌ」として登場している。
遊ぶことが大好きなキヌの性格と、妖狐という種族設定を組み合わせた名称である。
キヌと狐の姿
キヌもニシキと同様に獣石を使用し、戦闘では狐へ変身する。
人型では若い少女の姿をしているが、
狐耳
狐の尻尾
を持っているため、人間とは明確に異なる。
さらに妖狐・九尾の狐という兵種によって、戦闘中には本格的な獣型の狐として戦うことができる。
ニシキとキヌ
二人は親子であり、どちらも妖狐である。
ニシキ
→妖狐の里の長。父。
キヌ
→ニシキの娘。妖狐の血を引く少女。
という関係にある。
狐キャラクターが一人だけ登場するゲームは多いが、『ファイアーエムブレムif』では親子として複数世代の妖狐がプレイアブルになる点も特徴である。
ガルーとの関係
暗夜王国には「ガルー」という別の獣人種族が存在する。
ガルーは狼・人狼を思わせる姿へ変身する種族であり、フランネルやその娘ベロアが該当する。
ニシキとフランネルは、
妖狐
ガルー
という異なる獣人種族の人物である。
『ファイアーエムブレム ヒーローズ』の公式紹介でも、フランネルはガルーたちの長であり、ニシキとは「同じ尻尾仲間」として交流があるとされている。
したがって、
獣耳+尻尾=すべて狐
ではない。
ニシキ・キヌ
→狐系の「妖狐」
フランネル・ベロア
→狼系の「ガルー」
と明確に分ける必要がある。
妖狐は妖怪の狐なのか?
本作では公式の種族名として「妖狐」が使われているため、
妖狐:該当
として問題ない。
ただし、日本の民間伝承に登場する妖狐をそのままゲーム世界へ登場させたわけではなく、『ファイアーエムブレムif』独自の獣人種族として再構成されている。
例えば、
稲荷神の眷属
人間に化けて暮らす狐
狐火を操る妖怪
という設定が妖狐全体に付与されているわけではない。
本作独自の、
「獣石によって狐へ変身する狐系獣人」
と考えるのが適切である。
九尾狐伝承との関係
一方、上級兵種名には「九尾の狐」が直接使用されている。
九尾の狐は東アジア各地の伝承に登場する有名な狐の怪異・霊獣であり、日本では玉藻前などとも結び付けられている。
『ファイアーエムブレムif』では、その名称と九本の尾という視覚的特徴を兵種へ取り入れている。
ただし、
ニシキ=玉藻前
キヌ=玉藻前系の妖狐
という関係はない。
あくまで「九尾の狐」という伝承的モチーフを上級クラスへ採用している。
狐との関係性
『ファイアーエムブレムif』そのものは狐だけを題材としたゲームではない。
作品の中心となるのは、
白夜王国と暗夜王国の戦争
主人公カムイの出生
家族
国家の選択
である。
しかし狐に関しては非常に内容が濃く、
妖狐という正式な種族
妖狐という兵種
九尾の狐という上級兵種
ニシキ
キヌ
妖狐の里
妖狐の山
獣石による狐への変身
狐耳
狐の尻尾
人間による毛皮目的の狩猟
狐と人間の対立
など、狐に関係する設定が複数存在する。
特に「狐耳のキャラクターがいる」という程度ではなく、
「狐の獣人種族が社会を作り、親子で登場し、実際に狐へ変身して戦う」
作品であることが大きな特徴である。
主な狐関連キャラクター
ニシキ
→CV:高橋勇太。妖狐の里の長。人型では狐耳と尻尾を持ち、獣石によって狐へ変身する。恩返しを大切にし、自分たち妖狐の美しい毛並みに強い自信を持つ。白夜王国編・インビジブルキングダムでは仲間となり、暗夜王国編では敵として登場する。
キヌ
→CV:中恵光城。ニシキの娘で妖狐の血を引く少女。好奇心旺盛で遊ぶことが大好き。ニシキの結婚によって発生する外伝を通じて仲間になる。父親と同じく狐へ変身して戦う。
妖狐たち
→妖狐の里・妖狐の山で集団生活する狐系獣人。暗夜王国編第19章では多数の妖狐・九尾の狐と戦うことになる。
まとめ
『ファイアーエムブレムif』は、シリーズの中でも狐との関係が非常に明確な作品である。
白夜王国には「妖狐」という狐系獣人が存在し、その長であるニシキと、娘のキヌを仲間として使用できる。二人は単なる狐耳キャラクターではなく、獣石を使って実際の狐を思わせる獣型へ変身して戦う。
さらに妖狐の上級兵種として「九尾の狐」が存在し、九本の尾を持つ狐の姿になる。
暗夜王国編では妖狐の山そのものが戦場となり、人間に毛皮を狙われてきた妖狐たちの警戒心から主人公たちと戦闘に発展するなど、狐という種族の社会や人間との関係まで物語へ組み込まれている。
「妖狐」「九尾の狐」「狐への変身」「狐の集落」「狐の親子」と、狐に関する要素がゲームシステムと世界設定の両方に深く関わっている作品である。